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月明かりの中
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男は、まだ楽しげに笑顔の余韻を残したまま、少年を引き寄せる。
月明かりの中。少年は男の膝の上で、素肌に長い布のような形をした男の上着だけを一枚羽織っている。
「ぼ、僕はどうしたらいいの?」
不安そうに尋ねられ、カースは目を細めて答えた。
「何もしなくていい」
優しく囁くように告げられて、少年はじっと男を見つめた。
そっと、触れるだけのキス。
少年が目をぱちくりさせるのを見て、男はもう一度優しく口付ける。
唇を重ねて、ゆっくり五つ数える頃、少年は男に倣って目を閉じた。
男の大きな手がリンデルの頭を支えて引き寄せる。
互いの唇が密着すると、少年はうっすらと頰を染めた。
男もじわりと頬が熱くなるのを感じたが、彼の肌の色ではまだ見た目には分からなかった。
しばらくして、男がそっと顔を離すと、少年は瞳をうっとりと開き、一瞬で淋しそうな顔になった。
「……なんだその顔は」
苦笑を浮かべる男に、リンデルは金色の瞳を潤ませて答える。
「もっと……してほしかったから……」
男は、心臓を直接掴まれるような感覚に、くらりと目眩を感じる。
「お前っ、そんな事ばっかり言ってるとーー……」
「?」
リンデルが小首を傾げる。
「いや、何でもない……」
かぶりを振るカースを、少年が悲しげに見つめる。
「カースはどうして、いつも僕に遠慮するの?」
言われて、男は驚いた。
遠慮をしていたつもりはない。
ただ、理性を失いたくなかっただけだ。
あいつらと同じには、なりたく無かった。
……だが、本当にそうだろうか。
あいつらを殺したいと思った。許せなかった。
それは、妬ましかったからじゃないのか。
本当は、自分も……。
そこまで考えて、男はまたかぶりを振った。
「カースは、僕とはしたくない?」
振り払おうとした欲を見透かされたようで、カースは動揺する。
「なっ、何を……」
少年は、ちょっとだけ言葉を選んだ様子で
「えっちなこと」
と答えた。
カースがガクリと肩を落とす。
もうダメだ。
俺はきっと、こいつには隠し事が出来ないんだろう。
チラと視線をあげると、少年は月の光を浴びて、輪郭までも柔らかな金色に染めていた。
「皆は僕としたいって言ってたよ」
途端、男の心が黒く染まる。
「っ、それで、ああなったってのか?」
男の声に含まれる怒気に、少年が肩を揺らす。
「……ごめんなさい。あんなにカースが怒ると思わなくて……。ああいうことは、誰とでもしたらダメなんだね……」
しゅんとなって反省する少年を見て、男は痛感する。
まだ、何も知らなかったのだと。
そういった事すら、まだこれから学んでいくはずだった少年を、何の説明も無しに、最初にあいつに差し出したのは自分だった。
なぜあの時、俺はあんなに簡単にこいつを渡してしまったのか。
まさか、自分にとって、この少年がここまで大きな存在になるなんて、あの時は思ってもいなかった。
思えば、少年は俺があの男に抱かれている事にも気付いていた。
この少年に『誰とでもしていい』と思わせたのは自分じゃないか。
結局は全て、自身が撒いた種か……。
いつだって後悔ばかりに囚われてきた男が、そうやってまた、無限に続く後悔の闇へ沈んでゆく。
それを引き上げたのは、月光のような少年の、小さな手だった。
「カース、顔を上げて。僕を見て」
両頬に手を添えられて、ふわりと持ち上げられる。
ちゅ、と小さな音がして、一瞬、少年の唇が男のそれと重なる。
「!?」
激しく動揺する男の瞳を見つめて、少年は花のように微笑んだ。
「僕の事を大事にしてくれて、ありがとう」
「っ……」
どうして今の流れでそうなる。と思いながらも、男の頬にじわりと赤みがさす。
「でも、僕の事でカースが辛い気持ちになっちゃうのは、悲しい……」
「お前の、せいじゃない……。俺が……」
また自身を責めようとする男の口を、少年はもう一度小さな唇で塞いだ。
男が大きく目を見開く。
「っ、お前……」
少年は、嬉しそうに微笑んで言う。
「お口のキスって、ほわほわするね」
「……なんだよ、それは」
「ね、もっと、して?」
月光に照らされて輝く少年が、ふわりと目を細める。
天使のようにあどけない表情で誘うその姿に、男は手を伸ばした。
優しく、触れるだけの口付け。
次はもう少しだけ、強く。
そうして繰り返すうち、少年は男に縋り付くように身を寄せてきた。
応えるように、男は片手で包んでしまえそうな細い腰を、そっと抱き寄せる。
嬉しそうに緩んだ少年の口元に、男は侵入を試みる。
ぴくりと小さく肩を揺らして、少年がつぶらな瞳を開いた。
男は少年の頭を支えていた手を、ぐいと引き寄せる。
少年が驚いた拍子に少し離れた唇を、これまで以上に密着させると、金色の瞳がゆるりと潤んだ。
力の抜けた少年の口内へ、男はさらに侵入する。
少年はほんの少し戸惑いを見せつつも、ゆるやかに口を開いて応えた。
男には、それが無性に嬉しく思えて、思わず口端が緩む。
わずかな隙間から、どちらのものか分からない雫が溢れた。
「ん……ふ、ぅ……」
少年が時折声を漏らす。
小さな舌を、男の舌に絡め取られ、うまく飲み込めなくなった唾液が漏れる。
顎を伝い、首筋を伝ったそれを、男はようやく離した唇で、優しく舐めた。
「んんっ……」
少年の顔を見れば、月明かりでもはっきりと分かるほどに紅くうっとりと染まっている。
男はその表情に胸が高鳴るのを自覚した。
少年の鎖骨から、首筋、口の周りを舐めた後、男は少年の柔らかい耳たぶへ口付ける。
耳元で水音がして、少年はぞくぞくとした感覚に襲われる。
「ふ、わ、あぁ……っ」
びくりと細い腰が浮く。
「……どうした?」
「んっ……」
男の低い囁きが耳元で聴こえて、少年は思わず目をギュッと閉じた。
「な、なんか……ぞくぞくする……」
早まる鼓動に上がる息の合間に答える、少年の素直な言葉に、男はまたどうしようもなく頬が緩むのを感じながら、その小さな耳穴に舌を差し込む。
「やっ……んっ……んんん……」
ぞくぞくと背を上る感触に、すべなく肩を震わせる少年を、男は愛しく抱き寄せる。
水に浸けられ、夜風にさらされた少年の身体は触れるとひやりとしていたが、男の膝の上で繰り返し撫でられるうち、少しずつ熱を帯びてきた。
力を入れれば折れそうな細い肩を引き寄せて、首筋へ舌を這わせる。
少年の熱い息が、男の首にかかった。
「……このまま、俺に抱かれるつもりか?」
男が耳元で囁く。
「……カースが……嫌じゃなかったら」
少年が、かすかに震える唇で答える。
「お前はどうなんだ。まだ痛むだろう……?」
少しの苛立ちと、それ以上に心配そうな男の声に、少年は口元を綻ばせる。
「僕は……してほしいよ、カースに……」
熱っぽく潤んだ瞳でじっと見つめられて、男はごくりと喉を鳴らす。
「わかった」
と短く答えた男が、少年に口付ける。
優しく、ゆっくりと口内に舌を割り入れると、少年の舌が絡んできた。
(お前……順応が早過ぎるだろ)
ついさっき、初めてのキスをしたはずの少年が、もうこんな事を覚えてきた事に、わずかに罪悪感を感じつつも、男は小さな舌を優しく吸い上げる。
「ん……んんんっ」
男が目を開けてみれば、少年はとろんと蕩けそうな顔をしていた。
男は唇を離さないままに、指先で少年の胸を撫でる。
じわりと立ち上がってくる小さな突起は、男の片手で左右どちらも触れることができた。
親指と小指の先で捏ね回すように愛撫すると、少年は鈴を慣らすような声で鳴いた。
「ふ、あ……、あっ……ぅ、あんっ」
「……感じるのか?」
「わ、かんな……ぃ、けど、な、なんか、熱くて……」
途切れ途切れに少年が答えるのを聞きながら、肩口にかかる熱い息に、男は自身が高まるのを感じる。
膝を軽く立て、少年を脚の上に跨らせると、その小さな突起に舌を這わせた。
「ぁ……っ」
小さな声と、ぴくりと揺れる肩。
熱を持ってじわりと汗ばんできた柔らかな肌を、男は丁寧に撫でてゆく。
「っは、……あっ……ん……ど、どう、して……」
少年が何か言おうとしているのに気付いて、男が動きを止める。
「どうして……カースは、僕をこんな風に触るの?」
揺れる肩で息をつぎながら、少年が潤んだ瞳を男に向ける。
「お前に……痛い思いさせたくないんだよ……」
答えながら、それならやらなきゃいいだけだろう。と男が自身の心へ言い返していると、少年が綻んだ。
「そうなんだ……ありがとう、カース」
嬉しそうな微笑みが、金色に甘く緩む。
男はこの少年を、心底愛しいと思ってしまった。
この想いが、この先二人をいつまでも苦しめるとも知らずに。
すっかり身体を薄紅色に染めた少年に、カースがいつもの言葉を告げる。
「指入れるぞ、力抜けよ」
少し前まで男達の物を飲み込んでいたそこは、男の指を容易く受け入れる。
「ん……っ……」
少年は少しだけ腰を浮かせかけたものの、それ以上の抵抗は無かった。
二本の指で少し様子を見ていた男が、三番目を挿入する。
「痛くないか?」
「っ……だ、大丈、夫……」
ギュッと目を閉じたままの返事に、男は少し迷ったが、奥まで入れた指の先だけを軽く曲げてみる。
「んんっ……っあっ……」
その声は、高く甘く、痛みを堪えるものではなかった。
ぐちぐちと音を立てて、男は少年の感じる部分を押しては離し、また押して、可愛らしい声を堪能する。
「ふ、あ、やっ、あっ、ああっ、んんんっ」
「……お前、可愛い声で鳴くよな」
「は、あっ、えっ? な、にっ、んぁんっ」
途切れながらも聞き返そうとするリンデルをそのままに、男はにやける口元を隠すように口付ける。
「んっ、んんんっ、ん、っ……」
口を塞がれた少年の嬌声が、男の口内に響く。
そのままさらに後ろを責めると、少年の口が空気を求めるように大きく開いた。
「ふぁっ、あ、あっ、あああっ、や、やだ……」
金色の瞳に浮かんだ涙が、ひと筋溢れる。
男は手を止めると、反対の手で少年の頭を撫でながら声をかけた。
「止めるか?」
「ち、ちがうの、なんか、ムズムズするっていうか、お腹が熱くなって、なんか……わ、わかんない……」
泣きそうな顔でリンデルは、きゅっとカースの胸に抱き付く。
「僕……おかしくなっちゃいそうで、こわい……」
震える小さな肩を包み込みながら、男は少年の涙をペロリと舐めて、口元に笑みを滲ませて囁く。
「いいんだよ、おかしくなって」
「え……?」
「それは、気持ちいいって事だ。お前は感じてるんだよ」
「そう……なの……?」
「痛くはないんだろう?」
「うん……」
恥ずかしそう少し俯いて答える少年を、男はますます愛しく思う。
「俺がもっと、気持ち良くさせてやる」
「え、ええっ。僕、カースに気持ち良くなってほしいのに……」
少年の困ったような呟きに、男は笑った。
「それじゃ、そうさせてもらうよ」
ずるりと指を抜き取った男が、自身のズボンと下着をずらす。
大きくのけぞったそれの姿を見て、少年が小さく息をのんだ。
「わぁ、僕、カースの見たのはじめてかも……」
「そうか?」
首を傾げる男に少年は
「うん、こんなに元気なところ、僕はじめて見たよ」
と答えて、男を苦笑させた。
「入れるぞ、力抜いとけよ」
男のいつもの言葉に、少年は微笑みを浮かべる。
「いや、俺がやるよりお前がする方がいいか」
ふと、思い付いたように呟くと、男はそのまま体を後ろへと倒す。
膝に乗っていた少年は、滑り落ちて男の下腹部へ着地する。
僅かな水音。男の熱い棒の先が少年の入り口に触れ、少年は小さく肩を震わせる。
男は、少年のそんな仕草すら愛しくて、その腰を優しく支えた。
少年は、男の瞳を見る。
森と空の色は、どちらも少年を見つめ返して優しく細められている。
その表情に、少年はドキドキしながら聞き返す。
「えっと、カースの、僕が触ってもいいの?」
「ああ、自分で入れる方がまだ痛くないだろ」
言われて、少年はおずおずとそれを手に取る。
自分の以外のそれを手に取るのは、少年にとって生まれて初めての事だった。
「すごい……硬くて、大きいね……」
「そうか? あいつよりーー……っ」
リラックスしていた男が思わず洩らした言葉に、それを口にした本人が苦い顔になった。
「……悪い、忘れてくれ……」
「ふふっ」
少年が悪戯っぽい微笑みを浮かべる。
「じゃあ忘れるかわりに、僕のお願いもひとつ聞いてくれる?」
「な、なんだ?」
少年の細い指が、男のそれに絡み付いている。
愛しげに撫でていたそれを、少年は自身の穴へと、そっとあてがう。
「僕のこと、名前で呼んで?」
つぷ。と小さな音がして、少年が体重を乗せた分だけ、男のそれは少年の体内へと潜り込む。
「っ……」
小さな喘ぎはどちらのものだったのか、どちらもがほんの少し眉を寄せ、苦しげな表情をゆるめながら、詰めていた息をそっと吐いた。
「リンデル……」
男の声に、少年は嬉しそうに応える。
「カース……」
ズズズと音が聞こえるほどに、少年の中をいっぱいに満たしながら男のそれが奥へと侵入する。
少年の拙い仕草と一生懸命な眼差しに、男は、腰を動かしたい衝動と戦いながら耐える。
「ん、ぅ……。カースの、が、僕の中に……入った、よ……」
「ああ、そうだな……痛くないか?」
男には、まだもう少し奥まで入れたい気持ちはあったが、この少年にそんな無理はさせたくなかった。
「ん……大丈夫」
こわばる身体から力を抜こうと、細く息をする少年が愛しくて、男はその頭を優しく引き寄せ頬に口付ける。
「リンデル、動けるか?」
「う、ん……」
耳元で囁かれた少年が、背筋をぞくりと震わせながら、小さな手をそっと男の胸に乗せる。
「体重かけていいぞ」
「ん……っ……」
ぎこちなく腰を揺らしはじめた少年が、自らの動きに息を乱す。
「……あっ、……ん、んぅ……っ」
月明かりに金色の髪と瞳を潤ませた少年が、頬を染め、辿々しく奉仕する。
はあっと熱い息を吐いて、男の瞳を覗き込む少年。
金色の瞳には不安と期待が覗いている。
男はくらくらとした目眩に襲われる。
少年は、男が感じているのか、心配していた。
この小さな少年に、俺はこんなに大事にされている。その事実を受け止めた途端、溢れ出す愛しさと喜びに、男の森と空の色がじわりと滲む。
「……っ、んっ……、は……ぁ」
少年の体重を支えている細い脚が、ガクガクと小刻みに震え出す。
お前の小さな身体くらい、いくらでも俺に預ければ良いのに。
いたいけな姿に、男は堪えきれず腰を揺らした。
「ああんっ」
不意に突き上げられて、少年が甘く嬌声をあげる。
「っ、リンデル……あまり、可愛い声を出すな。我慢が効かなくなる……」
男が眉を寄せて苦しげにこぼす。
少年は、切なげな表情のまま男に身を寄せて、唇を重ねると、甘い声で囁いた。
「我慢、しないで……」
男はその囁き声に、顔も耳も、頭の中まで煮えるような熱を感じる。
「僕のこと、めちゃくちゃに、して……」
吐息の混ざる、切なくねだるような声に、ギリギリで堪えていた男の理性はついに灼き切れた。
男は身体を起こすと、リンデルを抱きかかえるように両腕で支えて突き上げる。
「あっ、あ、あああっ」
のけぞる少年の背を支えながら、大きく深く、自身を打ち付ける。
「ん、あっ、あ、あ、ああんっんんっ」
少年の甘い声。
蕩けるような表情に、痛みに耐える様子は無い。
「ぅんんっ、あっあああっ、あん、ぅあん、ああん」
喘ぐ少年の口端から、飲み込めなかった雫が溢れる。
男はそれをぺろりと舐めると、動きは止めずに少年の肩に口付け、優しく尋ねる。
「……気持ちいいか?」
「ふぁ、あっ、きもち、いいよっ、あっ、いい、いいよ、カースっ」
半分泣き出しそうな顔で、顔を真っ赤にして、必死に伝える少年に、男の熱が下腹部へと集まってゆく。
「そうか。俺もだ……」
ぎゅっと、少年が腕を伸ばし男の頭を抱く。
「あ、はっ、うれ、し……っ、んんっ、あああん」
あまり奥を突かないよう気を付けていたつもりの男に、少年が自身を強く密着させてくる。
「お前……っ」
焦る男の耳元で、少年が囁く。
「なまえ、で……っ、んんっ」
「リンデル……」
「ん、あっ、カース……っ、ああああっ!」
激しく突き上げられ、少年が耐えかねて大きくのけぞる。
「リンデル、リンデル……」
少年の反った背を抱き寄せて、男が縋るように名を呼ぶ。
「あっ……、カース……ぼく、なん、か、……あっ!」
男には、もう動きを止めて話を聞くほどの余裕は無かった。
「んっ、あ、なんか、くる……、あっ、なんか……きちゃうよっ、あぁあっ!」
奥のさらに奥まで侵されて、少年が目を見開く。半開きのままの口元からは、雫が溢れている。
「あっ、や……、こわい、よ、カース……」
涙を浮かべ不安に染まった瞳で、男へ助けを求めるように伸ばされた手。
男はその手に頰を寄せ、そっと口付ける。
「大丈夫だ。そのまま受け入れていい」
男の優しい声に、ホッとした顔を見せた少年の更に奥へと侵入し、激しく責め立てる。
「ぁっん、あぁん、ぅあぁぁんっ」
鼻にかかった甘い声が、男を追い詰めてゆく。
限界が近付いて、男が眉を寄せる。
「んんっ、……んっ、んーーっっ」
と、少年が、ぎゅっと唇を噛んで何かを堪えようとする。
その唇を、男の舌が優しく割り開く。
「はっ、あっ、カースっ、カースぅぅ」
少年が男の口の中で、うわごとのように名を呼ぶのを聞きながら、男が自身の限界にそれを抜き取ろうとする。
それを少年の腰が追った。
「あっ、やだっ、抜かな、で、っ」
「リンデル、くっ」
「ぼくの、なか……、あっ、あぁぁああぁぁぁあああああ!!!!」
少年が大きくのけぞり叫ぶ。
一際大きくなった男のものから、少年の中へと注がれる熱い体液が少年を満たすと、幼い身体はビクビクと小刻みに跳ねた。
快感の奔流に少年の目の前はチカチカと輝き、視界が急速に白く染まってゆく。
遠くに男の優しい瞳を見つめながら、少年は微笑みを浮かべて意識を手放した。
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