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絶対に言いません
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「黄瀬くん。」
「はい。」
「なんでしょう。」
「なにがっすか。」
「とてもうざいです。離れてください。うざいです。」
「ひどっ2回も言わなくていいじゃないっスか~」
僕の後ろにへばりつくこの大男を誰か早くなんとかしてください。
荷物をとりに部室へ来てみたが
それまでずっとこの状態なのだ。
周りのひとたちも
仲いいのねーみたいな
微笑ましい笑顔浮かべてるけど
全然微笑ましくない。
「もっかいすきって言うまで離れないっス」
「今の君はきらいです」
「ひどっ!」
心臓がうるさく動くのが
君に聞こえないかどうか必死なんですよこっちは。
顔を見られないのがせめてもの救いだった。
「黒子っち。」
「なんですか。」
「こっち向いて。」
「絶対いやです」
「……」
だって、
今は顔が絶対に赤いから
こんなに真っ赤な顔を見られたくない。
やっと分かってしまった。
これはきっと―
「ね、なんでこっち向かないんすか。」
「……離れてください。」
腕を強引に解こうとすれば
思いっきり体を反転させられ
そして頬を大きな手で包まれた。
「ははっ真っ赤。かーわい」
目を細め嬉しそうにそう言う彼に
僕はなにも言えません。
「黒子っち。少しは期待していいんですかね。」
「ダメです」
「だって黒子っち、俺のこと好きっしょ?」
「ちがいます。黄瀬くんこそ僕のこと好きでしょう。」
「好きっすよ。結構前からアピールきてるじゃないですか。」
「~ずるいですっ」
「ずるくない。あーもうぜったい黒子っちにも好きって言わせてやる」
そういいながら思いっきり抱きしめる黄瀬くんに
また心臓は激しく動き出した。
君を好きかもしれないなんて
絶対に言いません。
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