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これでええんかわからんわ
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「えっ、え、カラダ…」
思わず絶句してしもうた。もっとピュアな恋愛を、想像してたから。
なんやねん体からって。
潤さんは、悪びれもせえへんかった。
「あんただって子供じゃないんだから、体から入るくらい…」
こわ。都会の人って、みんなこうなんやろか。
顔から火が出そう、なんちゅうことわざが、実体験できてしまっていた。
それと同時に、本当にええん?みたいに、ワクワクしてしまってもいた。
潤さんは、俺の好みや。本当に触れてええんなら、もうベタベタ触ったるわ。
「…電気、消してええですか」とにじり寄る俺の目は、多分据わっとると思う。あぶないやっちゃ、俺。
「待て。シャワー、浴びてくれ。」
がっつきすぎだって、と身振りで示す潤さんに、俺は正気に立ち返る。
「すみません。」と謝り、浴室へ。
紳士的になんて、多分振舞えへん。
ドキドキしてしまってた。
シャワーから上がると、入れ違いに潤さんが浴室へ入る。
俺は、ばかばかしいと自分を思いつつ、覗いてしまっていた。
変態や、俺。というか、これから裸の付き合いをする相手を覗きする意味、あるんやろうか。
潤さんの背中は逞しくて、俺は、むしろ抱かれたいかもしれない、と思った。でも、何となくやけど、潤さんはネコの方やと思うし…
初めてやけど、精一杯リードしてみよ思た。
部屋に戻り、気持ちを落ち着かせようとして、逆に慌てた。
とりあえず、その辺にあったゴムを引っ張り出し、どう付けるんやったっけ、と思いつつ、これから起こすコトをイメージしてみる。
…あかんわ。経験豊富そうな潤さんに、太刀打ちできる気がせぇへんわ。
期待と、不安で胸がぐるぐるして、なぜか腹が減ってきた。どんだけ太平楽にできとるんや、俺の頭の中は。
「お待たせ、な。」
と、潤さんの声がした。
顔を上げると、潤さんがそこにいた。
タオルで髪を拭いてる潤さん。ほんもんや。夢やなくて。俺が恋焦がれすぎて、幻覚を見てるんと違くて。
「腹が減ってます。」と俺は、意味の分からん答えをしてしまった。
「…カップらーめんとかしか、ないけど。」
潤さんは、思い切り可笑しそうな顔をして言った。
なんやねん俺は。好きな人を目の前にして腹が減るとか、サイコなん?
好きすぎて食べたい、みたいな、あれか?
意味が分からんなぁと思いつつ、潤さんが作ってくれたカップラーメンをすする。
その間、潤さんは部屋の畳の目をいじりながら、俺を見てた。
「あんた、どういう風にするんだ?」
「わかりません。初めてなもんで。」
潤さんの問いかけに、俺はカップラーメンをすすりながら答える。
食べ終わって口をゆすいで、潤さんを見つめると、俺は自分のあれがそそり立つのを感じた。
おっ、戦闘準備に入っとるな、と思いながら、心のどっかではまだ、このなし崩し状態に俺の純情が泣いとる。
でも、構わへん。だって、もうすぐ憧れの潤さんに触れられるんやから。
「好きにしていいんだぜ。」
と、蓮っ葉な態度でこちらを斜めに見てくる潤さん。
あかん、なんでそんなに魅力的なん、もう、あかん。
利き手でそっと、潤さんの胸へ触れてみた。
がっしりした胸筋が、手のひらを支えてくれる。ああ、いい。
思った通り以上に筋肉質な胸にそっと顔をうずめて、潤さんの鼓動を聴いた。
ドクン、ドクンと、潤さんの鼓動は力強い。
潤さんの背中に手をまわして、掌で背中を撫でる。あったかい。
しなやかな、肉食獣みたいに分厚くて、引き締まった背筋に俺は掌を這わせる。
「潤さん、俺は、潤さんが好きや。」
面と向かって言えなくて、潤さんの胸に顔をうずめて、その心臓に直接呼びかける。
好きや。ずっと連絡待っとったし、今日だってものすごく緊張した。
その割にあっけなく潤さんは俺の手に入ってしまった気がして、いっそ拍子抜けなくらいやった。
「こうなってまった以上、大切にします、さかい、俺と付き合ってくれますか。」
潤さんが、フフフと笑った。俺はその胸に抱かれているさけ、笑いが振動になって伝わってくる。ああ、あったかいなぁ。
「俺なんか、中古品だぜ。力抜いて好きにしてくれていいんだよ。気に入らなかったら返品したって気にしないし、そんなかしこまらなくたって…」
唇を唇で、塞いだ。これ以上そんな話聞いとったら、心が冷たくなりそうや。
潤さんは、舌を入れて、絡めてきた。その舌を吸って、背中を優しく撫でながら、俺は念じた。
潤さん、俺は、あんたがどんな奴と付き合ってきたとか、どうでもええねん。どうしたらいいか自分でもようわからんくらい、あなたが好きなんですわ。ほんま、すき。できるだけ長く、大切にしたい思うとるんです。
暫く舌を絡めあっていると、興奮してきた。
潤さんを押し倒しながら、ああ、俺もオスだったんやなぁなんて妙な感慨を覚えて、潤さんのタンクトップを脱がす。一般的なオスと違うとこは、柔らかいまあるい乳房の線より、固くて四角い筋肉に欲情してしまうとこやな。
潤さんの身体を組み敷いて、ただもう夢中で愛撫していく。
潤さんは、時々くすぐったそうに体をよじりながら、それでも受け入れてくれた。そういう潤さんには無邪気、って言葉が似合うて、なんだか自分よりよっぽど年下の人を組み敷いてる気になって、罪悪感さえ持ってしまった。
「あんた、優しいな、っ、触り方も。…」
潤さん、感じとるみたいや。よかった。
腰のラインに指を這わせて、何回もなぞる。
なぞりながら、だんだんと下へ指を絡めてく。
潤さんの筋肉は思ってたよりもしなやかで柔らかで、ぐっと指の力を入れると、すんなり指が沈み込んだ。虎みたいな、ネコ科の生き物みたいな筋肉やなぁと思った。
首筋にキスして、そのまま唇を這わした。
喉へ、肩へ、胸へ。
骨の感じがごつごつしてて、少しサドめいた気持になる。噛みつきたくなるん。くすぐったいのか気持ちいのか、潤さんは笑うけど、余裕のある、というか、これ以上踏み込ませたくないような、自我を保つための笑いを引きはがして、潤さんのあられもない生のすがたに触れたいと、思った。
そのためには、どうしたらええんやろか。このままでええんか。
わからなくて、動きが止まってしまった。
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