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少年はそこまで語ると口を閉じ、蒼の瞳でうやうやしく王様を見ました。
少年の流れるような、そして淫靡な物語の余韻に浸っていた王様は、しばしの沈黙の後言われました。
「なるほどのう。古き領主もその奴隷であった獣人たちも、憤怒のあまりにその運命を狂わせて、悲惨な死を迎えたのだな。」
「左様にございましょう。」
少年は、静かな声で相槌を打ちました。
「だが、人の心とはわからぬものよ、移ろいやすきものよ。新しき領主は、いったいどのようにその心を壊され、捻じ曲げられていったものやら。…余も、人間の心がかように移ろいやすきものでなければ、このように夜伽の相手を手に掛けることもなかったであろうに。…世の中の、ままならぬことよ。」と、王様は珍しく饒舌に、その美しい白皙の顔を歪めながら、心中をお漏らしになられました。
そうして王様は、今夜も少年に命じられました。
「明日の夜もまた、夜伽に参るがいい。そして、余にまた不思議な話を聞かせるのだ、よいな。来ないのであれば、そうだ、そなたを、物語に出てきた刑に処すのもよかろう。」
「承知致しました。」
少年は、恐ろしい王様のお言葉に恐れる風もなく言い残し、王様のお休みの邪魔にならぬよう、いつも通り早々に下がるのでした。
少年は、明日の夜はいったいどのような話をするのでしょうか。
王様が恐らくそうであるように、わたくしもまた、明日の夜が待ち遠しいような、恐ろしいような気持ちになりながら、眠りに着いたのでございます。
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