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事の発端3
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_そうして1日を結城家で過ごした次の日。
それが僕の地獄の日々…いやむしろ"無"の始まりだったといえる。
いつものように真斗と登校していた時、突然真斗が後ろから声をかけられた。
「よっ!元気?」
「祐輔先輩じゃないですか!あ、えっとこの人は俺のサッカー部の先輩で…」
「多田祐輔です、よろしくね凪ちゃん」
「………どうも」
何こいつ、馴れ馴れしい。
チャラチャラしてそうだし、何勝手に真斗と肩組んでんの?!
意味わかんない!
…それに目線が嫌だ。
"アイツら"と同じ目をしてる。
僕の大っ嫌いな"アイツら"。
「…真斗、行こ」
「え?あぁ…祐輔先輩、また放課後!」
「あぁ、また"放課後"にね…」
なんで真斗に近づいてくるの?
僕には真斗しかいないのに!
「おい!凪!どうしたんだよ」
「だって…あの人の目、嫌いだから」
「はぁ?そんな理由で?」
「だって!あの目をしてる人は皆決まって最後はこう言うんだよ…"好きだ"って」
「凪…疑うのも良いけど、そんなんじゃいつまで経っても友達増えねぇぞ?」
「…………知らない」
別に増えなくたって、真斗が居てくれるじゃん。
今更、他なんていらない。
「はぁ……」
隣でため息をついてるのは分かったけど、それが僕のせいだと思いたくなくて聞かなかった振りをして教室に入る。
ねぇ真斗まで僕を捨てるの?
===
「真斗、今日は部活?」
「おう!だから今日は1人な、ごめん」
「…待ってちゃダメなの」
「だめ、部活に見学席なんかあるとお思いで?」
「………」
わがままだ。分かってる。
だけど真斗を取られたような気がしてならない。たかが部活、されど部活。
もし部活で僕より大事な人を見つけちゃったらどうするんだよ。
僕はお前でないとダメなんだ。
「…はぁ、教室な」
「え?」
「グラウンドは流れ弾とか危ないから教室で待ってるなら、いいぞ」
「ほんと、?本当に?!やった!!待ってる!」
「ん、じゃあ行ってくるな」
「うん!行ってらっしゃーい」
うふふ、やった!やった!!
真斗と"まだ"一緒に帰れる!
嬉しい。もう嬉しい以外の何物でもない。
これを友情と呼ばず何と呼ぶのだろうか!!
「真斗が…友達で良かった」
あぁ、早く部活終わらないかな。
早く!早く!
_そんな浮かれてないで逃げ道の1つでも確保しておけばよかった。
今更そんなことを考えたって遅いけど。
「あれぇ〜?凪ちゃんじゃーん」
この声は…
「…確か、真斗の先輩さんでしたよね?部活始まってますよ?」
朝会ったあのいけ好かない奴。
サッカー部の先輩って言ってたからもう部活は始まってるはず。
なんでこんなところに?
「今日はねサボり」
「そうですか、それじゃあ」
真斗の先輩だろうが僕が良くする必要なんて無いわけだし!
てか先輩なんだからなんで2年の教室来るの?なに、まさか真斗のためとか言わないよな。
あああああ!!…なんか気持ちがむかむかしてきた。
本当は今日は家で過ごすつもりだったけどまみさんとか沙知ちゃんに癒されたいし真斗の家行こ!!
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