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逃げ道
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_その後、目覚めた時にはもうアイツはいなくて、だけど確かに僕の後孔から流れ出るドロドロの液と独特の匂い、はだけた制服、そして知らぬ間に付けられた胸のキスマークがあの惨事が現実であることを突きつけていた。
目の端には乾いた涙の跡。
また無意識に落ちていく涙を拭い、もう部活が終わってしまうと素早く制服に着替える。
…何も、なかった。
何もなかったと思い込もう。
だって真斗に知られたくないから。
知られたらきっと離れていく、捨てられる。
-僕は僕に嘘をつく。
直ぐに窓を開け、換気をしてもなかなか取れない男の臭い。
そういえば教室にファ○リーズが常備してあった、と自分の制服や、情事を行った床、この教室全体にこれでもかと振りかける。
その時、パタパタと階段を駆け上がる音が聞こえ、マズいと思って急いで教室の外へ鞄を持って出た。
「……真斗〜遅い〜」
「悪いって」
「もう、早く帰ろ」
「はいはい、ってなんか変な匂いしね?」
ピクっと肩が揺れたけど、真斗は違う方向を見ていたから気づかれていないようだ。
「…そう?今、僕鼻詰まってて。てかそんなこといいから、早く」
「わーったって」
靴を履き替え、学校の外へ出た時、どうしようもなく泣きそうになった。
「…ねぇ、真斗」
「なに?」
「今日、真斗の家泊まろうと思ってたんだけどやっぱ辞めるわ」
「いやそんな改まって言うことでもないだろ、別にいつでもいいんだから」
「…そっか、そうだよね」
助けて、って言えたらどんなに楽だろう。
この気持ちを一緒に背負ってくれたらどんなに嬉しいだろう。
でも僕は、そこまで強くなかったみたい。
こんな汚れた身体でまみさんや大晴さん、沙知ちゃんに会いたくない。
よく頑張ったねって、よく耐えたねって、頭を撫でて欲しいけど、僕なんかの頭を撫でたらまみさんまで汚れちゃうから。
だから、もう行けないかもしれない。
ごめんね。
「…お腹すいた」
「また唐突な…コンビニ寄る?」
「うん」
前にも言ったように僕は一人暮らし。
かといって自炊するほど出来てもないから真斗の家に行く時以外は基本コンビニ飯。
簡単だし、美味しいのは間違いない。
けどやっぱり人の作ったご飯の方が美味しいから殆ど真斗家に入り浸ってる。
「ねぇ真斗はラーメンか焼きそばかパスタだったらどれが好き?」
「ラーメン一択」
「うーん…じゃあ僕は焼きそばで」
「え、聞いた意味」
「別に真斗の好きなやつにするとは言ってないしー」
「うーわ、ほら早くレジ行ってこい」
「はーい」
同い年ぐらいの子がレジを淡々と打つのを見ていると僕もバイトした方がいいのかなとか思ったりするけど、真斗といる時間が減るのは嫌だからやらない。
そこからは消費税高くなったよねとか、明日の時間割なんだっけとか、そんなどうでもいい話をして、もう僕の家に着いてしまった。
「じゃ、また明日な」
「うん…ばいばい」
玄関の戸を開け、真っ暗な家を見た時あぁ僕はこれがお似合いだ、なんてセンチメンタルな気持ちになって玄関にもたれながらズルズルと重力で落ちていった。
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