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戸惑い
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チリチリと太陽が部屋を照らす。
「学校…行きたくないなぁ」
そう思っても思い出すのはあのメール。
逃げ道すら閉ざされた僕に選択する余地などないのだ。
変わらない教科書の量なのにズシッと重い。
もう玄関には真斗が着いていて、いつもと同じで居ないと…なんて妙な使命感が募る。
_鏡の前で口角を上げる練習をする自分を馬鹿にして笑った。
「おーはよ、真斗」
「おはよう」
「ねぇ今日は部活?」
「うん、そだけど?」
「あのさ…昨日会った先輩いたじゃん?その人って部活行かないの?」
「うーん、サボりは多いね。でもなんで?」
「…昨日、真斗待ってる間に会って」
「なんか変なことされた?」
「いや、別になんもされてないけど」
「今日も待つか?良いけど」
サボり魔か…
真斗と一緒に帰りたいけど…でもまた会ってあんなことになったら、、
「……ううん、今日は勉強しないと」
「何言ってんのいっつも学年10位には名前入ってるくせに」
「ちょっと今回は苦手な範囲なんだよねー」
そう笑って言うけど、本当は全然余裕だし…
真斗と帰りたい。真斗と一緒にいたい。
けど…
またあいつと会って、またあんなことされたら?
また無理やりされたら?
…そう思うと待つ気には到底なれなかった。
===
時は経ち、もう昼休み。
いつも僕は真斗と教室で食べているけど今日は真斗が先輩に呼ばれてるらしく、さすがに部活に口を出すのはと思って遠慮してぼっち飯を考えていたら、真斗は僕を連れて先輩の教室へ。
「ちょ、真斗!僕もついて行っていいの?」
「むしろウェルカムって感じだったぜ?先輩たち」
「そう、、?」
真斗の先輩に好かれてるのは良いけど…もしかしたら…あの人がいるかもしれない。
そう思って乗り気にはなれなかった。
「あ、先輩!!」
どうか居ませんように…!
願いを込めて先輩の顔を見る。
「………いない…」
そこには、あのチャラ男は居なくて全員が黒髪のまさにスポーツ男子って感じだった。
「いない、って何が?」
「あぁ…こっちの話だから真斗は気にしないで」
「君が吉沢くん?真斗から話は聞いてるよ〜!こっちこっち!」
「…ここ、座って」
人数は2人で、とても気さくに話しかけてくれたのは爽やかな笑顔の松元優牙(マツモト ユウガ)先輩と、寡黙で見た目は怖いけど雰囲気は柔らかい佐渡晃(サワタリ コウ)先輩。
僕はやっぱり話に中々入っていけなかったけど、真斗は楽しそうに笑ってるし、先輩方も良い人そうで僕まで嬉しくなる。
_でも、忘れちゃいけなかった。
ここは
先輩の階なんだってことを_
「あれ〜?真斗じゃん」
_一瞬、身体が凍った気がした。
…こ、の声は…あの、、、
「あ、祐輔じゃん!」
事情なんて知らない優牙先輩はアイツに話しかけに行くけど、僕は頭をあげられずにいた。
…ど、うしようきっとバレてる…
足が震えて、ここから…動けない…
「き、み、は〜凪ちゃんだよね?昨日ぶり〜」
突然肩を叩かれ、恐怖でズボンをギュッと握りしめた。
「…昨日の、朝ぶり…ですね」
声は震えて、裏返ってた気もする。
だけど確認しようも無いから分からない。
それからアイツも加わって5人でお昼ご飯を食べようってことになったけど、味なんてしなくて、更には強引に隣に座ったアイツが太ももに手を添えてきたり、足をわざと当てて絡ませてきたり……
僕はチャイムが鳴るまで耐えるしかできなかった。
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