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戸惑い7
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意識が戻ってくると、お風呂場にいたはずの体は部屋のベッドに寝かせられていて、アイツが運んだのかってなかなか働かない頭で考える。
手元にあったスマホで時刻を見たらもう夜の1時。
確かあいつが来たのが6時くらいだったから…
…はぁ、明日、休もっかな…
まだ少しだるい体にムチを打って、階段を降りて1階へ向かった。
玄関に僕以外の靴が無かったからあいつはもう帰ったのか。
…良かった、
「…ちょっと、お腹空いた」
家に何かあったかなぁ…
壁に手を付きながらのろのろと移動しリビングの冷蔵庫を開けたら、身に覚えのない食料が入っていた。
「え?こんなリンゴなんて買った覚えない…待って、よく見たらキッチンにお粥あるんだけど…」
覚えがないのは、お粥にリンゴ、みかんのゼリーにレンジでチンするだけで簡単に食べられるような冷凍食品がズラリ。
「………」
誰がこれをやったのか、それぐらい分かる。
けど…信じられない。
だってあいつにとって僕はただの性欲処理で、ただのセフレでしょう?
そんな奴にこんな…
こんな……
「…ッなに絆されてんだよッ!!!僕はあいつなんか嫌いッ!!こんなのされたって…!嬉しくなんか……」
リンゴを床へ叩きつけようとして、辞めた。
食べ物に罪はない。
だけど…理由なんてわかりたくもない涙が流れる。
この涙の意味を分かってしまったら僕はもう壊れてしまうと思った。
「お粥、なんて…いつぶり、、?」
半年前、不幸な事故でおばあちゃんが亡くなるまでは僕が風邪をひいたら作ってくれてた気がする。
曲がった腰を何度も叩きながら、無理をして僕のために周りの環境を整えてくれていた。
そんな過去を思い出しながらお粥を頬張る。
「…ははっ…美味しい、じゃん…」
あんな最低なヤツ、許したくなんてないのに、こんなことで許してしまいそうになる。
僕のために時間を割いて、わざわざスーパーでこんなに買ってきて、お粥まで作って…
なんでそんなことするんだよ、
最低なヤツでいろよ、
…優しくなんて、しないでよ…
_半分ほど食べて、真斗に明日は休むと連絡を入れて、ベッドで寝た。
枕が濡れていたのは気の所為だ。
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