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後悔
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目を開けると、もう太陽は昇ったあとで時刻は9時を回っていた。
久しぶりにこんなに眠れた、とゆっくり起き上がり1階へ降りる。
手に取るのはあのお粥の残り。
レンジで温め、ニュースを聞き流しながら食べていく。
たまにあぁこれ時事で出そうだなーとか思ったら携帯にメモしたり。
今頃、真斗は授業中か…
暇だし寝よう…
そう思ってまた部屋に戻りベッドに入ると、自分でも気づかなかったけど疲れが溜まっていたみたいでまたすぐに寝てしまった。
「…ん、……なんじ、?」
起きると辺りは夜で、時刻は7時を表していた。
「え、やば…完全に寝すぎた」
スマホのメッセージアプリを開いてみたら普段は1が来るかどうかなのに5個も通知が来ていた。
きっと真斗だなって嬉しながらにため息をついてアプリを開くと案の定そうだった。
「えっと…元気か?生きてる?明日は来れるか?見舞い行くわ、早く治せよ…って送りすぎでしょ」
不謹慎だけど、そんな心配してくれたんだって嬉しくなる。
「ふふ…もう平気だよ、、っと…ッえ?」
真斗に返信しようとボタンを打ちかけたその時、画面上部に写し出される"ゆーすけ"の文字。
開いてみると、明日行く、とだけ。
アイツが明日、来る…?
それがどれだけ嫌なことか身をもって知ったはずなのに、前より嫌がらない自分に気づいて蓋をした。
…これは知ったらダメなやつだ。
気付いてない、僕は何も知らない。
「…あ、真斗に断り入れなきゃ……」
明日、こいつが来るなら見舞いは断らないと。
真斗…真斗ならここから僕を連れ出してくれないかな…
「…なんて、ね」
真斗にお礼と断りを入れて、ゆーすけに分かりました、とだけ送った。
にしてもなんで昨日、こいつは僕にあんなことを…
それを説明するために明日来るとか?
…ってないない。
どうせ僕の身体にしか興味無いんだから、その僕の身体が病気に侵されていたから治そうとしただけな気がする…うん、きっとそうだ。
だから…あの行動になんの意味もないんだよ。
「きっと……きっと」
既に温まった冷凍食品を口に運ぶと、コンビニ食と同じで味が濃くて。
それに慣れたはずなのに、昨日のお粥の味を思い出して、途中で食べるのを辞めてしまった。
「…美味しい、のにな…なんでだろ」
病人の舌には薄味が良かっただけ。
こんなのは今日だけ、だから。
今日だけ、なんだから…今日くらいは素直になってもいいかなぁ…?
少しくらい、言っても…いいかなぁ…ッ?
「…も、ッ…これ以上、優しくしないでよ…!ぼく…ぼく、溺れたくなんかない、ッ!!あんな最低なヤツに溺れたら…終わる、のに…」
アイツが僕の身体にしか興味が無いことにイラついて。
そのくせ早くどっか行って欲しくて。
だけど、優しくして欲しくて。
もっと…僕のこと見てほしい…なんて。
「…あーあ、最悪…だよ…」
きっと、もう戻れない。
戻れないところまで来てしまったと思う。
あんな最低なヤツに…僕は
「惹かれてる、んだなぁ…ッ、、」
ねぇ、真斗。
僕、どうしたらいいかなぁ?
こんな関係辞めたいんだ、だけど辞めてあいつとの接点が無くなるのも嫌だ、なんて…
ばか、だね。
「…ほんと、ばか………」
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