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願い事
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あーあ、まーたヤられてるじゃん。
俺以外に抱かれてるなんて腸が煮えくり返りそうだけど、これも全部後のため。
ねぇ凪くん、早く絶望してよ。
生きていたくなんてないくらい、絶望して、君のその目がどす黒く濁ったら、君を迎えに行くからね。
あ、また喘ぎ声出して。
ほんと、可愛いなぁ。
おっと音が遠くなった。カバンから離れたのかな?
まぁいいよ。
また話そうね?凪くん。
===
「あ、2年5組の吉沢なんですけど…はい、少し体調が良くなくて、はい、休みます。はい、すみません、ありがとうございます、はい、失礼します」
ズル休み、しちゃった。
だって真斗に会えない、しかもゆーすけに会う可能性がある、そう思ったらもう行く気になんてなれない。
「ベッドで寝転んどこ…」
今日はもう何も考えない。
学校への電話も終わって自分の部屋へと戻ろうとした時、棚に肘が引っかかって、その反動で上にあったノートのあるページが開かれた。
「いっった…、何このノート…って…は?」
そのページに書かれていたのは吉沢洋二という名前と吉沢美波という名前。
身に覚えもない、見たこともない、だけど誰だって予想がつく。
これは…
「僕、の親…?」
そのページにはご丁寧に電話番号まで書かれていて、自分のスマホに登録した。どうしてかは分からない。
だけど、初めて身近に感じた"親"の存在にどこか憧れのような、憎しみのような、よく分からない感情が僕の中に芽生えた。
「お、とうさん…おかあさん…」
慣れないその呼び方は、小さかった自分の求めていた言葉で。
おばあちゃんと過ごしていても、いつの間にかその幻影を探し続けていた。
おばあちゃんが亡くなって、1人になって、やっと1人に慣れてきた今にこんなページを見せるだなんて神様は相当な意地悪なんだろう。
「…でも、どうせ」
どうせ、僕は愛されてない。
だってそうじゃん。
1度も顔なんて見せずに養育費だけ振り込むなんて親のすることかよ。
どうせ…会うことなんてない。
_そう思っても心のどこかで忘れられなくて、どんな顔なんだろうとか、何処にいるんだろうとか、そんなことを考えながら、一日を過ごした。
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