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恋心
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次の日、真斗が無事退院したって真斗から報告を受けたから真斗の家へ朝一番に訪れる。
「もう大丈夫?」
「そもそも、そんな大層な怪我じゃないって」
「でも…」
真斗が怪我したの、僕のせいじゃん。
そう思っても口には出せなくて、俯いてしまった僕の頭を優しく撫でる。
「凪がそんな考え込む必要ないよ、ほら学校行くぞ」
「…うん、!」
_まだ真斗に罪悪感はあるけどでも真斗が気にするなって言うなら忘れることにする。
ありがとう、大好きだよ真斗。
「…………ん?」
「何どうかした?」
「い、いや…なんでも」
あれ?今僕ナチュラルに大好きとか思わなかった?
なんかlikeのベクトルが変わってきてない?あれ?
…あれぇ?
僕、って真斗こと好きだったの…!?
うっっそぉ…だって真斗は友達だよ、親友……
_信じられなくて、だけどどこか信じられるような気もして。
驚いたけど、でも、昔からわかってた気がする。分かってて気付かないふりを続けてきた。
僕の真斗に対する感情は、友情と依存と愛情と…恋情だって。
その大きな背中に守られたいって、
その大きな手で包み込んで欲しいって、
その大きな体で抱きしめて欲しいって、
そう、思ってきた。
随分と長い間、見て見ぬふりしてきたけどもう限界みたい。
ごめんね、無理させちゃって。
でももう大丈夫、そんな僕も受け入れられる。
-男を好きになるなんて、気持ち悪いって思ってた。
その対象に僕がいるのも嫌だった。
そんな自分にはもうさよならだ。
今からの僕は、大っ嫌いだったアイツらと同じ…
"男を好きな男"だから。
真斗にとって僕が愛しい人になれるように頑張ろうかな。
「ねぇ、真斗」
「なに?」
「…んーん、なんでもなーい!」
「なんだよそれ」
気付かせてくれてありがとう。
…なんてね。
===
「なんか学校来るのめっちゃ久々な気するわ」
「実際そうだよ」
「そっか」
真斗と一緒に階段を昇っている時、自覚してしまったもんだから、どうしても身体に目がいってしまう…
ああ!だめだめ!真斗は僕のことそういった意味で見てないし!僕もそういう意味で真斗を見ちゃうのは反則!
脳内ピンク畑になりそうになる度、頬を抓って現実へと戻す。
あぁ、だけどもっと触りたい…
そんなことを考えていた時だった。
「おはよぉー真斗…と凪ちゃん」
悪夢へと引き戻されたのは。
「祐輔先輩!珍しいっすね、1年の教室にいるなんて」
「時間余ったからね〜暇つぶしで来た」
なんで、こいつがここに…?
_1度は惹かれた人。
それなのに今はただ恐怖でしかない…
もう嫌だ、出てこないでよッ!
「ん?凪、大丈夫か?」
「…ぇ?あ、あいや全然、大丈夫…」
「……すいません、先輩、もういいですか?」
「あぁこっちこそごめんね〜?引き止めちゃって、じゃまた放課後〜」
「はい!」
きっと真斗が察してくれたんだ。
はぁ…はぁ…も、やだ…
真斗に汚い僕なんて見せたくないのに、あいつに会えばどれだけ自分が醜くて汚い存在なのか思い知らされる。
この身体に刻まれ続けたあいつの痕跡が、僕を苦しめる。
「凪、大丈夫か?」
「…うん、もう大丈夫だから、教室入ろ」
「無理してんなら言えよ?」
「わかってるよ、ほら早く」
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