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再会
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「あ!真斗、返信きたよ」
お昼休みに送って、今はもう放課後。アフタースクール。
ふと気になってスマホを開くと、案の定通知が来ていてすぐにメッセージ場面を開く。
「なんて?」
「えっとね…初めまして、御察しの通り貴方の母親です。来週の土曜の昼間なら空いています。場所の指定はお任せします。…だって」
「母親に連絡が着いたか。どうする、俺もついて行こっか」
「いや…いいよ。これは僕の家の問題だからね。でも、場所はどこがいいと思う?」
「そっか。えーっと…あれは?駅前の喫茶店」
「あーあそこ?じゃあそこ指定しよ」
【返信ありがとうございます。それでは土曜の昼間、○○駅前方の××喫茶店で。お待ちしています。】
「…ふぅ…なんか、今から緊張するよ」
「まぁな、それが普通だよ。あ、俺ん家くる?」
「行く!」
…あ、待って。
僕、真斗のこと好きって自覚してから家行くの初めてじゃない、!?
まって、なんか緊張してきた…
「落ち着け、落ち着け…」
「何今更緊張してんの?」
「いや、ちょっと事情が…」
もう心臓壊れそう!!
真斗がかっこいいのが悪いんだよバカ!!
「今のお前の顔、リンゴみてぇ」
「え!?」
「めっちゃ赤いけど熱でもあんのか?」
「いや、そういう訳じゃ…その、真斗ってかっこいいなって最近思うようになって!??」
ってあああ!!
何言っちゃってんだ僕!!!
「それこそ今更すぎ。俺はいつだってかっこいいだろ?」
「…自意識過剰」
「ごめんって!」
あぁ、好き。
…好き、?
あれ僕、ドキドキしてる。
でもアイツに惹かれた時はドキドキしなかった。
なのに、なんで真斗にはドキドキするんだろう…
やっぱりアイツに感じてた感情は恋じゃなかった、ってことか…
「…ねぇ真斗」
「んー」
「もし、もしさ、自分を傷つけた人のこと好きになりかけてたら…どうする?」
「何それ?そんなの有り得なくね?…あ、待ってなんかそれ聞いたことある」
「聞いたこと、?」
「そ、待ってすぐ携帯で調べる………あ、あった!これこれ」
そう言って真斗が見せてきた文字は…
「ストックホルム症候群…?」
「そう、なんか例えば自分が監禁されたとするじゃん?そしたらその監禁した相手のことを守らなきゃって思うようになって好きになるんだってさ。よくわかんねぇけど人間の心理はそういうもんらしい」
「監禁した人を、好きになる……」
僕の場合は、レイプした人を好きになりかけた。
犯されて、苦しくて、逃げたくて、でも僕のことなんて見えてないその目が嫌いで、僕を見て欲しくて、もっと僕を求めて欲しくて、僕にだけに見せる顔が欲しくて。
…僕、あの人にドキドキなんてしなかったわけだよ。
僕のこの感情は…一種の依存。メンヘラだ。
●ストックホルム症候群
ストックホルム症候群(ストックホルムしょうこうぐん、英語: Stockholm syndrome)は、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう[1]。ただし臨床心理学における心理障害(精神障害)ではなく、心的外傷後ストレス障害として扱われる。
Wikipedia参照。
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