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ただ
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真斗side
_ほんの少しの違和感は感じてた。
いつもの笑顔じゃなくなってたり、
ボーってすることが増えたり、
それこそ何かに怯えているような気がして、
でも本人は答えそうにないし、俺に隠そうとしてたから
だから俺もムキになって気にしてなんてやるかって意地を張ってた。
「…間違い、だったな」
すーすーと心地よい寝息をたてる凪の頭を優しく撫でる。
あんな思いしてたなんて知らなかった。
辛くて、苦しくて、でも逃げ出せなくて、そんなの聞いただけでも辛いのに。
ずっと、ずっと、1人で抱え込んできたんだな。
「ごめんな、もっと早く俺が話してたら…」
もっと早く"どうかしたか"って言ってやればよかった。
どんなに汚いことを話されようと、どれだけお前が俺に言いたくない内容であろうと、嫌いになんてならないのに。
凪を好きかと言われたら考えたこともないからわからない。
だけど、他の誰より守りたい存在。
ずっと俺の隣を歩いていて欲しい。
ずっと俺の隣で笑っていて欲しい。
ただ、ずっと2人で生きていきたい。
そう心から願う存在。
「凪、これからはもっとずっと俺が守るから」
お前に辛い思いなんてさせない。
===
「ん、ぁ……ん」
「起きた?おはよう凪」
「真斗?おはよぉ…」
「母さんが朝ごはん用意してるから、起きたら食べるぞ」
「ふぁーい」
凪は本当なら寝起きはいい方だけど、昨日は親と会うなんて神経使うことをしたからか、いつもより寝起きが悪いけどそれもまた一興。
「もうまみさん達はお仕事?」
もう目が冴えた凪は机の上に用意されていた朝食を食べながらそう俺に聞く。
「あぁ、医療従事者って大変なんだろうな」
「分かる。あれ?沙知ちゃんは?」
「遊園地に行くから早めに出るんだと。アイツ最近俺に生意気なんだよな…もしかしたら反抗期来たかもしれない」
「え〜?沙知ちゃんは良い子だよ、可愛いし」
「あんなのお前の前だけだから」
「そうかなぁ」
こてんと首傾げながら白ご飯を頬張るその姿はリスみたいで、お前の方が可愛いよなんて言ってしまうところだった。
「ねぇ、そういえばサッカー部は土日の練習無いの?」
「あるよ、けどなんつーんだろ…1時間とかそこらの練習だし、しかも殆ど筋トレ。そんなの休みたくもなるわ」
「筋トレ大事じゃん」
「大事だけどさ、毎日毎日それは飽きる」
「確かに…」
「てか普通に今はテスト期間だし、無いけど」
「あ、忘れてた」
そう言って手を口の前に当て、目を見開く。
いやいや昨日凪からテスト勉強しようって誘ってきたのに忘れるって…
こいつ、年々ボケてきてないか?
まぁ、いつもそうやって笑ってくれるならそれでいいんだけどさ。
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