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本気
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凪side
そうして今日もみっちり真斗に知識を叩き込み、さぁ明日からテストだってとこで
ピロンと携帯が鳴った。
「なんだ…」
画面を開くと表示される鳴海先生の文字。
正直言って、良い人だとは思うけどパーソナルスペースが広い人はそこまで得意じゃないから関わりたくない人種。
でも先生だしなぁ…未読スルーはダメだよなぁ。
ポチッと画面を開くと、
【明後日、テスト終了後保健室まで来て欲しいんだけど時間大丈夫?】
と言った内容だった。
それって僕じゃなきゃダメなの?って思ったけど、そんな生意気な口を先生に聞けるはずもなく、分かりましたと送った。
「凪?誰からだったの」
「鳴海先生。明後日テスト終わったら保健室来てくれだって」
「へぇ…てか先生と連絡先交換してるの初耳だわ」
「真斗が倒れた時にお世話になってさ。でもあんまり得意じゃないんだよね、鳴海先生」
一々距離が近いっていうか…
うーん、言葉にするのは難しいけど、でも、どっか苦手なんだよなぁ
「…じゃあ俺も一緒に行くよ」
「え!?いやいや部活あるでしょ?あんまサボっちゃダメだよ」
「え〜…じゃあその用事終わったらちゃんと連絡入れて、部室の近くまで来いよ」
「え…いいの?」
だってこの前…あの日、僕が駄々を捏ねて待ってたいって言った日は許してくんなかったのに…
まぁ結局、アイツにトラウマ植え付けられたけど…
「あー…あの時は〜その、そんな放課後まで残らせて凪の時間潰したくなかったんだよ。その結果が凪を傷つかせることにもなったし…本当は学校に残したくないんだけどな。心配だから仕方ないだろ」
そう言う真斗の顔は少し照れていた。
だけど本人は恥ずかしいのかすぐに腕で顔を隠してしまう。
そんな姿にまた僕は見惚れていった。
「そっか…そっかぁ…じゃあもう真斗には心配かけないようにしないとね?」
「あぁ」
_そうして翌日、テストが始まった。
1日目は国、社、音、保体。
どれも時間を目一杯使うことなく見直しも終わり、帰りにはやばいやばいって言ってる真斗を横目に早寝した。
2日目は数、理、英。
他より英語が苦手だったけど、それでも時間は余り、やっぱりこんなもんだよなぁってどこか落胆した気持ちでテストを終えた。
「じゃ、保健室行ってくるね」
「早めに終わらせろよ」
「分かってるって!」
本当はダメなんだろうけど、こうやって心配されるのが嬉しい…
だからといってもう二度と襲われたりなんてしたくないけど。
「鳴海先生〜?吉沢です」
「あ、来てくれたんだね。良かった」
「いいえー、それで要件はなんですか?」
「あぁ、あそこの教材あるだろ?あれを3階の会議室まで運んで欲しくてね。自分で出来たら良かったんだけどこの後、職員会議があるんだよ」
「それ、絶対僕なんかより適任者いたと思います…」
…自分でこんなこと言いたくないけどさ、僕、力持ちそうに見えなくない?
どちらかと言うと華奢な方じゃない?
見るからに1学年ぐらい教科書あるんですけど…
「大丈夫だよ、すぐに終わるから」
「……じゃあ運んできますね」
「うん、宜しくね」
これ、真斗の部活終わる前に運びきれたらいいなぁ…
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