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本気4
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「……ッ…いっ………た、ぁ……」
頭に鈍い痛みを感じて目を覚ますと、肌が冷たいコンクリートに当たってることに気づいた。
「冷た…なにここ……」
視界は暗くて、よく見えないけど、今僕は倒れていてそして床がコンクリートであること。
そして腕を動かそうとするとガチャガチャと金属音が鳴り響くことから手錠か何かで縛られてる…と推測する。
僕、せんせーのお手伝い…してたんだけど…
少しずつ鮮明になる記憶を遡ると、確か鳴海先生に頼まれて手伝って、あー終わるって時に…
「先生、に何か嗅がされた…」
ドラマとか映画で見たことある。きっと睡眠薬だ。
「な、んで………」
僕、何かしたっけ?
別に何もしてないのに…あっ!真斗に連絡…!ってスマホあるわけないよなぁ…
真斗、心配してるかな。
今が何時なのかもわかんないけど、でも心配してくれてるなら嬉しいな。
「………あ、起きた?」
急に声がして首だけ音のした方に向けると
「先生、やっぱり…」
鳴海先生がそこに立っていた。
「やっぱり?やっぱりって酷いなぁ。これは全部凪くんのためなのに」
「…別に貴方の言い訳を聞きたくて言ったわけじゃないです。これ解いて早く帰してください」
「冷静だねー?あぁそれともまだ危機感を感じてないのかな?」
「……」
僕の知ってる先生じゃない。
いや…元から僕の知ってる"鳴海先生"は本当の鳴海先生じゃないんだ。
きっと嘘偽りの姿。
誘拐なんていかれてる。
犯罪行為を、まして子どもの見本となるべき教師がする時点でもうおかしい。
…ここから出る方法、探さなきゃ。
「あっ変なこと考えないでね?凪くんと出会って、わざわざ電波も届かない、声も届かない、絶対バレないこの場所を作ったんだからさ…?」
電波も届かない、声も…?
そんなのある?
いや…コンクリートに囲まれたこの部屋ならそんなこともあるかもしれない。
「……」
…僕、とことん男運無いんだな
真斗に言われた通りだったよ、
_もし僕がヒロインなら
この場所を見つけて、僕を助けてくれるヒーローがいる。
でも僕はヒロインじゃないから。
ヒーローなんて来てくれないこと、知ってる。
「んー?静かになっちゃった…あーそうだ、学校には休学届出したし、僕が居ない平日はそこにある冷蔵庫から適当なの食べてね?あと排泄はそこのバケツにして。まぁ大体1週間ぐらいで変えるからさ。お風呂は入らなくても死なないし、別に寝るのも床でいいよね?あぁ、凪くんがどこにも逃げずに俺とずぅっと一緒に生きてくれるって証明してくれたら、ここから出て一緒に住もうね?待ってるよ」
ただ地獄の言の葉がツラツラと並べられたあと鳴海先生はコツコツと僕から遠ざかり、バタンと扉が閉まる音がした。
「…なに、これ………」
僕、夢でも見てる?
どうしたんだろう。
だってさ、誘拐なんて僕がされるわけないじゃん。
ましてそれが先生だなんて。
悪い冗談だなぁ。
…早く、覚めてよ
こんな悪夢から。
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