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夢
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今は何時なんだろう。
時計も窓も何も無いここは感覚を狂わせる。
「さすがに…誰か気付いてくれてる、よね…?」
友達なんて居ない。
そんな僕の存在を誰が気にするっていうんだろう。
真斗だって…本当は……
…そんなことを考えるくらいにはもう精神的に滅入っていた。
「辛い、な」
もうずっと両腕を後ろに組まされて、肩が痛い。
コンクリートに寝転がるしか出来ないから体全体が痛い。
心も痛い。
全部、捨てたい。
「助けて、真斗」
もう僕、諦めちゃいそうだよ。
また目を瞑り、いつかも分からない救出の時を待つ。
でも…
「…っん……ん…」
やばい。トイレ、したい。
でもこんな腕じゃ脱ぐのも一苦労だし、そもそも…
「バケツ…」
鳴海先生…いや、アイツが用意したのは銀のバケツ1つでそこにしろという。
それだけは嫌だった。
例え誘拐されようと、人間の尊厳を失いたくなかった。
でも…
漏れちゃ、う…
「…ッだ、いじょうぶだよ…僕。だってすぐ助けてくれる…こんなの今だけ…少ししたら笑い話になるんだから…大丈夫…気にするな、アイツは来ない…」
もたつく手でなんとかズボンを脱ぎバケツの前に立つ。
誰にも見られてない。
分かってはいるのに羞恥心が消えなくて、変に泣きそうになる。
でも体はもう限界で「ッ…」と一息漏らしたあと、勢いよく飛び出た。
バケツにあたる音を冷静に聞いていた。
「…っはぁ…」
生きるために仕方が無いこと。人間が必ずすること。
自分自身に洗脳するようにそう唱えた。
_それからはまた、することも無くなっていく。
正直お腹が空いた気はするけど食べる元気はない。
そんなのより、もう寝たい。
いや寝れるじゃんとかそういうのじゃなくて。
暖かいベッドで布団に包まれてふわふわしながら熟睡したい。
ここは固くて冷たくて包まれるものなんてない。
目を瞑ったって暫くは寝れないし、やっと意識を手放しても寝返りを打つ事に腕が痛くて目が覚めてしまう。
「……」
なんで、こんなことになっちゃったんだろ…
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