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夢2
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「あぁ、まだ何も食べてないんだ?もうそろそろ限界でしょ?食べなよ」
_意識が最低な現実に戻り始めた時、そんな声が聞こえてきた。
それが誰なのかは最初分からなかったけど、意味は理解して、要らないお腹すいてないって小さく呟いた気がする。
それからまた階段を上るような靴の音がコツコツと鳴り、また辺りは無音になる。
なん、だったんだろ…まぁいいか……もっかい、寝よ…
「……………ッて!今のアイツじゃんッ?!?!」
急に頭がはっきりとしてきて、今自分が誰と会話をしていたのかやっと分かった。
夢と現実の狭間で変な夢見てるなぁぐらいにしか思ってなかった…
「早く出せよ…」
アイツ、なんでこんなこと…
「僕、嫌われてんだなぁ」
確かに鳴海先生のことは苦手だった。
でも感謝もしてた。
真斗の一大事の時真っ先に走って、心配してくれた。
僕を病院まで運んでくれた。
僕の真斗への気持ちを肯定してくれた。
距離感は苦手だったけど、本当に親切な人で優しいんだなぁなんて思ってた。思ってたんだよ。
そんな、嫌われるようなことした覚えないんだけどな…
まぁ、嫌われてる方は気付かないってよく言うし、そういうものなのかな。
…好かれなくてもいいから嫌われたくない、なんてただのエゴなのかもしれない。
_また最悪な一日が始まる。
多分だけどさっきまでアイツがいたからまだ7時くらい。
ここが学校からどのくらいの距離にあるのかもわかんないけど。
今頃、真斗は忙しなく朝ごはん食べてるのかな。
やばい遅れる〜ッ!って…ははっ。
…真斗の世界に僕はいたのかな。
僕は必要とされてるのかな。
だって実の両親にさえ捨てられた男だよ?僕。
真斗はどう思ってんだろう。
可哀想とか?同情で今まで友達演じてたのかも。
…辞めよ。
気分嫌になるだけじゃん。
「なんか気分転換できるもの…欲しいなぁ」
見渡す限り、灰色。
そこに僕以外のものなんてほとんど無くて、これ数日でもいたら死んじゃいそうだななんて朧気な頭で思う。
あぁ、そういやテストどうなったのかな。
受けられなかったな。また受けさせてくれるかなぁ。
真斗は赤点回避出来たかな?
できてくれないと困るよ…笑
せっかく教えたのに。
僕なんかのせいで勉強に身が入ってなかったらごめんね。
まみさん、心配してくれてるかな。
きっと心配してくれてるんだろうな。
でもお仕事忙しいもん、きっと捜索なんてそんな時間のかかることしてくれないよな。
誰か、ここから僕を連れ去ってくれないかな。
_正義のヒーローみたいに。
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