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泡沫3
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なんだか抵抗する気も起きなくて、そのままベッドへなだれ込む。
「凪くんが従順なのもいいけど、嫌がってるのも見たかったなぁ」
嫌気がさす。吐き気が増す。
でも何か諦めたように体は動かない。
目線はいつだって天井を向いていて、指先をピクリと動かすだけでも、疲労感が伝う。
「まぁお人形さんみたいな凪くんも可愛いしいっか」
そう言って満足そうに笑うと、僕の首筋に顔を埋める。
気持ち悪い、心ではそう言えるのに現実になると口は動かない。
この行為に慣れてる自分も気持ち悪い。
「アイツはきっと自分善がりなセックスだっただろう?大丈夫、ちゃんと気持ちいいセックスを教えてあげるからね」
元々薄着だったから直ぐに裸にされる。
ただボーッと見ていた。
他人のそういう行為を見るみたいに、ただ眺めていた。
男の胸なんて触って、何が楽しいのか。
なのに身体は嫌でも反応する。
「っん……あ……」
この簡単に喘いでしまう体が大嫌い。
簡単に男を悦ばせてしまう体が大嫌い。
こうやって流される自分が、この世で1番大嫌いだ。
「あれ?凪くん泣いてるの?」
「…?」
そっと自分の頬に手を当てると、水滴が吸い付く。
自覚した途端、目の前がぼやけてきて目の前の男の顔ももう見えない。
僕、なんでこんな思いしてるんだろう
そう思ってしまっては、心が悲鳴をあげる。
もう嫌だって、逃げたいって、苦しいって、居なくなりたいって、願わずにはいられない。
必死に押し殺してきた嗚咽も漏れ始めて、顔を見せたくなくて体ごと横に向く。
腕で擦っても、擦っても涙が枯れなくて、
むしろどんどん出てきちゃって、
「うッ〜…う…ッ…〜〜ッ!!」
泣き止め!泣き止め!泣き止めよッ!!!
自分の体なのに、言う事聞かないんだ…
真斗、僕、どうしちゃったのかなぁ…?
「…疲れてるんだね、僕はお風呂に入ってくるからその間に服を着て寝ておいで。また明日」
突然そう言って僕の上から退き、部屋から出ていった。
これは助かったのか?
何が何だかよく分からないまま、言われた通り服を着てベッドに横になる。
微かに、シャワーの音が聞こえるから本当にアイツはお風呂に入ってるんだろう。
「……………」
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