アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
51
-
そうしてとりあえずズボンと下着を戻した私は、悠牙に言われるまま寝台を降り、昼食のためのテーブルに向かった。
「っ、く、っっ…」
1歩進むたびに、尻の中の異物を意識してしまい、そんなものを挿れさせられている惨めさに泣きたくなる。
「ほら、座れ」
「っ!」
どうにかこうにかテーブルの側までたどり着いた私に、悠牙はさらに絶望の淵を見せた。
「………」
この状態で、私に椅子につけと。
この男は悪魔なのか。
「どうした?」
「っ…」
どうしたもこうしたもない。
これならば、鞭をふるわれた方がどれほどマシだったか。
「彩貴」
「っ〜!くそっ…」
椅子を引かれて促されたら、もう逃げる道もなかった。
どうにでもなれと雑に腰を下ろした私は、グリッとナカを刺激した張形に、ヒッと息を詰める。
「ふっ…」
「き、さま…」
この悪魔。
面白おかしげにニヨニヨとしおって。
「くっ…」
だけどこれが仕置きだと言われたのだから仕方がない。
私は極力後ろの張形を意識しないよう、これから準備される昼食に集中しようとした。
コンコン。
「あの、えと…失礼します」
ノックの音の後に、そろりと顔を覗かせたのは、私が弥景と風呂に行っている間に部屋からいなくなっていた桧央で。
「昼食をお持ちしました。えと、こちらでよろしいでしょうか」
弥景に厳しく訓練されてきたのだろう。
ぎこちない口調と動きで、一生懸命給仕を務めようとしてくれている姿が、とても健気だった。
「くくくっ、そうだ、そこに用意してくれ」
ニヤニヤといやらしい笑みのまま、悠牙が私の前のテーブルを示す。
「っ、っ…」
「えと…さいき様?」
顔がなんだかお赤いですよ?と首を傾げる桧央に、私はぐっと唇を噛み締めた。
っ、動揺するな。
桧央には分からぬ。
私が今仕置きを受けている最中で、尻にあんなものを挿れさせられていることなど。
ぎゅぅ、と膝の上で拳を握り締め、私は目の前に並べられる食事をジッと無意味に見つめた。
「桧央、そいつは放っておいて構わないぞ」
「そう、ですか?」
でも様子が…と戸惑う桧央に、私は小さく眉を寄せた。
頼むから悠牙が言うように、今は放っておいてくれ。
桧央の気遣いと心配が今はあだとなる。
「くくくっ、まぁ気にするな。お?今日の昼は、スープと……パン?か?」
桧央が並べた料理をひょいと覗いて、悠牙が変な顔をした。
「は?どこをどう見てもキッシュだろう」
これがどうしたらパンになるのだ。
「キッシュ?」
「あぁ。パイ生地で、具だくさんの…」
「パイ」
ん?これはもしかして、一般的な民たちの料理ではないのだろうか。
明らかに見慣れていない様子の悠牙に、こちらの顔こそ変なものになってしまった。
「料理人は…おまえたちの仲間に任せているのではないのか?」
もしかして、生き延びた元宮中の料理人も使ってもらえているのだろうか。
「あぁ。元王宮勤めだろうが平民だろうが革命軍上がりだろうが、分け隔てなく能力に応じた職につけているけど?」
「そうか」
この男の平等性と正しさは信用できる。
ならば。
「私も…政に参加したい」
「おまえが?」
「妃とは…そういうものではないのか?」
ただ着飾り、王を慰めるだけが仕事ではないだろう。
「まぁ、元王子だもんな。政治に興味はあるか」
「あぁ」
「う〜む…。そうだな。南雲と言ったか?あいつを補佐につけ、参加してみるか?」
初めはおまえの方が補佐みたいになるだろうけどな、と笑う悠牙に、私は勢いよく頷いた。
「やる」
「くくくくっ、分かった」
面白いな、おまえ、と笑う悠牙のご機嫌の意味はよく分からない。
「あ、えと…用意が整いました」
どうぞお食事を、と、これまた弥景に教え込まれたのだろう、形通りの桧央の声が響き、悠牙が席に落ち着いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 68