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「千景先生、一個質問が」
「はい、ゆうくん。なんでしょう」
いつものようにピロートークなんて余裕もなくお互いぶっ倒れて、ぐっすり一時間ぐらい寝て、目を覚ましてもまだ動けない状態で話をする。
「なんでわざわざセックスって言うの?」
「どういうこと?」
「いや、他の言い方しねえんだなって」
「え? うん? えっちとか? そういうこと?」
「うん」
「…………一周回って固い言葉のが興奮するかなって」
「はあ」
「え、しない?」
「俺まだ一周してないんすよ」
だからこいつセックスとか精液とか言わせたがんのか。俺は納得する。まあドギツい隠語を言えと言われてたら、きっと冷めてた。
「え、ゆうくんどういうのがいいの?」
「いや、いいとかないんだけど。今のままがいいんだけど」
「えっちのがいい?」
「いや、うーん、うーん? 改めて聞かれるとよく分かんねえな」
「あ、そう。でもゆうくんだって、ちゅーしたいとかじゃなくて、キスってよく言うじゃん」
「あー、それは……」
元カノの影響です。
「……なんかキモいじゃん。俺が言うのは」
「キモくはないけど。……なに、昔誰かにキモいって言われた?」
「言われねーよ。ちげーよ」
ちょっとめんどくさい方向に話がそれてきたので、俺は眠いふりをする。
「じゃあ何。どういうエピソード」
「…………ぐぅ」
「あれ、寝た? おーい」
「すやすや」
「バイブ突っ込むよ? あ、今度寝てるときに犯していい?」
「断固拒否する。…………あんた怒るじゃん。やだ。めんどい」
「酷いゆうくん。僕のことそんな風に思ってたなんて。過去には嫉妬しないもん、僕」
さらっと言うこいつに、俺は呆れる。
「思ってるとかじゃなくて嫉妬されてるし。されたし。実績あるだろ。てめぇ。忘れたんか」
「例の元カノ? なにちゃんだっけ。連絡取ってたら殺すよ?」
「……おまえさあ、録音とか録画とかしてんだったら、自分の発言聞き返せよ」
ため息は自然と漏れる。こいつの脳内、ほんとどうなってんだよ。
「残念でしたー。ヤってる最中しか録ってませんー」
「録るのを当たり前にしないでくださいー」
「言えよー」
「……………………元カノがキスしたいって言うの当時はメチャクチャ興奮しまし、おい聞けよてめーは! 当時だっつってんだろ!」
「ゆうくんの馬鹿! ベッドの上で他の奴の話なんかすんなよ!」
案の定取っ組み合いになって、へろへろなのにドタバタ暴れる。
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