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【愛してるなんて、当然で】1
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【愛してるなんて、当然で】
>>元春視点
「なあ、……好き。…………ねー、聞いてるー?」
「聞いてる聞いてる」
「好きー」
「ありがとう」
「違うだろ」
「はいはい。……好きだよ」
ゆうくん、お酒弱いな。にやける口元を、悩んでるふりして隠す。小さな不運続きでうまくいかなかった日だからと、ヤケ酒の御相伴をあずかった夜。居酒屋で日本酒をぐいぐい煽るから、呑める口かと思ったら、ただの勢いだったみたい。
ぐらぐらに酔って、ふらふら歩いて、ふわふわになってるゆうくんをなんとか引っ張って、アパートまでたどり着いた。当然のごとく僕は自分の部屋にお持ち帰りする。
「んん……抱っこ」
可愛いかよ。ひっついて離れないゆうくんはベタベタ甘えてくる。素面でやってくれたらいいのに。絶対してくんないもんなあ。
「キスしたいぃ……」
「だーめ。ほら、寝なよ。水飲む?」
「要らない……キスしたーい……」
「………………」
「ねーえ、……なんで? したいのに……」
上着のパーカーを脱がす。めちゃめちゃ可愛くせがむので、してやった。あー……とけてんなぁ、こいつ。何度か呑んだことはあったけど、甘えたになるのは珍しい。もう絶対こんなの他の人には見せたくないから、ゆうくんにはお酒飲みすぎるの駄目ってキツく言っとこう。
ポケットの中身も出してやって、ベッドに転がす。ゆうくんはたいていラフな格好だからそのまま寝れる。……普段脱がしやすくて超便利。ワイシャツを着替えていると、またグズグズ呻きだした。鳴き声かよ。ちょっと待っててよ。
ベッドに入ってキスをする。好き、と鳴く生き物は嬉しそうに僕に抱きついた。
「好き、…………好きぃ……ねえ、」
えっちなこと、したい。
小さな声で言って、ゆうくんは恥ずかしそうに笑った。煽る生き物に、可愛さと嬉しさのあまりいらだって、僕はスマホを取り出す。
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