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同じように期待して浮かれてる奴や、あけっぴろげに手を出しているのとは違うらしい。恋がしたい、なんて純粋な溜め息に、俺は思わず噴き出した。
「っあー、ひど、笑うことないじゃないですか……っ!」
「いや、ウケる。あそ、……お前可愛いな」
顔を真っ赤にしてる木山は口をパクパクさせて、それから恥ずかしそうに目をそらした。
「だってぇ……おれだって恋したいっすよぅ」
「すれば?」
「どうすればいいですかね。遊馬先輩、あの人とはどうやって知り合ったんですか。どうやってその、関係に、」
「うるせえよ。お前それマジで誰にも言うなよ」
「言わないですって。信用ないなあ」
「ない」
まだ文句の言う木山をほっといて、俺は着信のきたスマホをポケットから取り出す。鬼ごっこ参加者の誰か…………と思ったら、元春でビビる。
「なに」
「距離近い。離れて」
「あ?」
「この前のコンビニの子? もう浮気してんの?」
怒られた。俺は周囲をぐるぐる見渡す。怖ぇよ。どこで見てんだよ。
「……してねえよ。お前の話してたの」
「なにそれ」
「うるせぇ。どこにいんだよ」
つーか、見てるぐらい暇なら普通に俺んとこ来ればいいのに。声だけなんて寂しい。……欲深い自分に気付いて、恥ずかしくなった。
「内緒」
今日は帰らないと元春は言う。また飲み会かよ。別にいいけど。あんだけヤりまくってて、そばにいて、なんで足りなくなるんだろう。俺にしてはうんざりするぐらい、ベタベタな関係のはずなのに。
あんたこそ浮気すんなと言ったら、元春は、するわけないじゃんと怒った。可愛い奴。
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