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むこうが僅かに動いた瞬間に、俺は離れた。
「って感じでぇ、落とされたわけですよ」
「っ………あ、せったー! されるかと思った、」
「しねーよ、ばーか」
「…………………ていうか、おれがしそうになりました」
正直に白状した木山に俺は笑って、だろ? と同意を求める。これをあの綺麗なイケメンにやられてみろ。誰が拒否出来んだよ。
言い訳みたいにベラベラ俺は喋って、なんでもないことのように笑い続ける。……本当はこんなじゃなかった。もっとピリピリしてたし、ムカついてた。あんときの元春、今思えば、めちゃくちゃ可愛かったよな。
っていうか、本性知る前まではわりと女みたいなとこあったよな。やっぱホモってカマっぽいんだな、とか。あー、こいつ尽くすタイプなんだな、とか。
…………………………………………いや、一応今も尽くしてくれてるのか。だいぶ予想外の方向にだけど。
そりゃあ仕方ないっすね。木山は同情してくれて、それから何故か俺に怒る。
「ていうか、先輩、駄目っすよ」
「なにがー?」
「こういうことしちゃ。浮気じゃないっすか」
「………………え、どこらへんが?」
「いや、してたらの話ですけど。ていうか、……え、て、いうか、あの、え、おれが実際しちゃってたら、どうするつもりだったんですか」
「しねーじゃん。お前」
「しないけど、」
「しねーじゃん」
「……………や、それはそうなんすけど」
「お前だからしたんだよ」
あれ? こっちのセリフのほうが浮気っぽくない?
二人ともそれに気付いて爆笑する。もういいよ。寝よ寝よ。帰る気のない俺は床に寝そべる。
「えー先輩布団使ってくださいよ」
「やだよお前の使ってる布団なんか」
「あー、えー、でも、あ、じゃあブランケットあるんでせめて」
「やだ」
「さすがに風邪ひきますよ」
「ひかねーよ」
「ていうか床嫌でしょ」
「いや、わりと家で床にぶっ倒れたまま寝るけど」
「何してんすか、先輩」
「え、ない? 風呂で寝たりとか」
「ないです」
「そのうちお前もなるよ。あとこの部屋もぐっちゃぐちゃんなるからな」
「なんないです。素敵なモテ部屋にします」
「モテ部屋って時点でクソだせぇよ」
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