アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
忘れられた記憶
-
女は雨のなかを走った。
どこか遠くに行きたかったが、そんな体力もなく人気の無い路地に駆け込むと、強く抱き締めていた赤い毛布を倒れ込んだままにその場においた。
「ごめんなさい…ごめんなさいね。あなたをこんな風に産むつもりなんて無かったのに。ごめんなさい…」
女は嗚咽混じりに泣いたまま、赤い毛布に包んだ赤子をその場に捨てた。
そして、ふらつく足でその場から走り去った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 21