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真実③
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「そして貴方の妻は子供を連れて家を出た。でも女一人で子を抱えて過ごすのは苦しかったでしょうね。だから、その子も捨てられてしまった。かわいそうに…でも、いいんですその子はもう僕のものですから。」
ジョーは傍らで気の抜けた顔をしていたアルマを抱き締めた。
はっとしてダンティルマンはアルマの顔を見た。
「そうか…彼がそうだというのか。」
なんという偶然、いやここまでくるとこれは全て引き合わされた運命としか言いようがない。この家で産まれ、捨てられた2つのものが巡り合い結び付いて帰ってきたのだ。
「実は僕も最近まで自覚が無かったんです。でも街でアルマさんを見かけて何故か全てを悟りました。これが運命ってやつなんでしょうか。」
ジョーイがダンティルマンに向けて手をかざす。その背からは黒い煙が出ているように見えた。
「さあ、終わりにしましょう。貴方が最後の生け贄となるのもある意味運命なのでしょう。そう思いませんか、アルマさん。」
「あっ、ああ 」
頬を寄せられきつく抱き締められたアルマは頷くことしかできなかった。
ジョーイの背から現れた煙は徐々に実体化し、黒い羽になった。
アルマはその姿を瞬きすることなく見つめていた。
悪魔が一歩前に出る。
向けられた手の先にはそれを呼んだ人の欲。
「それではさようなら、僕らの父さん。よく目に焼き付けてください、これが貴方の業だ。」
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