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(11)恵次サイド
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いつものように山のような書類を片付けていく。
今日は放課後から会議がある為バイトを休ませてもらった。
店長からは
「いつも頑張ってるから今日はゆっくり休んで」
と気遣いのお言葉をいただいた。
申し訳ない反面嬉しいとさえおもう。
会議は学園の風紀や他の委員長が集まって今後の方針や問題などについて話し合い解決させていくと言う感じだ。
どうせ生徒会の状態やマリモも話しで口論になるんだろう。
もう目に見えている為気分が浮かない。
どんなに嫌だろうが時間は自然にすぎていく。
最後の授業も終わり約束の時間が迫ってくる。
ああ、憂鬱だ。
そう思いながら俺は席を立ち物をまとめて会議室に向かう。
会議室にこれば大半の人が席に座っている。
あと来ていないのは風紀と美化委員か。
そう思いながら俺は席に腰を下ろした。
書類に目を通していると全員集まったらしいので号令をかける。
「今から会議を始める。
各自で思ったことや問題今後のことなどを簡潔に述べ
ろ。」
そう言い終わると次々と皆発言をし始めた。
自身の委員会の費用や練習場所の貸し借りなどと言ったありきたりな内容を聞き流しながらそれに対応して答えていく。
会議は後半に回ったところで風紀委員長から生徒会への反撃が向かってきた。
「最近お前以外の生徒会のメンバーが授業を受けずに転校
生と騒いでいる。
その転校生も公共の場で騒いだり暴れたり挙げ句の果て
には器物損害までもされた。
知っている奴らもいるだろうが転校生は親衛隊に怪我を
させた。
傷は軽かったからまだよかったがこのようなことが起き
るのは風紀として見過ごせない。 」
そう凛とした佇まいで南条勇は俺に言い放つ。
こいつは風紀を乱されることを心底嫌っている。
まさに転校生に自分が守ってきた学園を壊され腹が立っているのだろう。
「あの転校生は異常だ。
なぜこの学園があんな奴らを野放しにしているのか全く
もって理解できない。
転校生と一緒に行動している生徒会の奴らも問題が起き
ているのに何も手を下さない。
お前ら生徒会は一体何の為にあるんだ。
仕事もしないで遊び呆けて挙げ句の果てには生徒たちに
も危害を加える。
そんなの生徒会として失格だろ。 」
南条の言う通りだ。
仕事をしないで遊び呆けてそれなのに生徒会という名の肩書きは背負っている。
確かに生徒会としては失格が
「確かに南条の言う通りではある。
だがそれでも生徒会は回っている。
書類だって提出しているし役割だって全うしている。」
だが俺は一人で生徒会の仕事していた。
なんとか今まで回してきた。
仕事をしていないなんて言われる筋合いなんかない。
そう思っていると南条は俺に問いかけるように言い寄った
「じゃー、なんで今日提出されるはずの書類がこちらに渡されていないんだ?」
「は??」
俺は息が詰まった。
今日提出するはずの書類。
それは昨日徹夜しながら片付けた。
もしかして提出してなかったのか。
そう思い俺は鞄の中を漁る。
入れたと思っていた書類が入っている封筒がない。
クソ徹夜で作業していた為書類を家に忘れてしまったのか
俺は頭の中でとても焦る。
腹をくくり南条に向かい合う。
「悪い。提出するはずだった書類は俺の自宅だ。
持ってくることを忘れてしまった。申し訳ない」
そう俺が言えば南条は鼻で笑いながら
「会長様は提出期限も守ることができないのか?
どうせその書類やってないんだろ??
そうだよな〜。会長様は夜の営みで忙しいからな?」
などと言われ続ける。
めんどくさ。お前どんだけ俺のこと嫌いなんだよ。
やれ生徒会の自覚がないだのやれ会長の器じゃないだとボロクソ言われる。
会議室にいる生徒たちの視線が俺と南条に向かっている。
これ以上いても面倒なので謝罪をもう一度南条にしようとした時
コンコン
「会長様、会長様にお客様がお見えしてます。」
と一人の生徒の声が会議室に響いた。
いったいこんな時に誰だと俺は思いながら会議室のドアに視線を移す。
ここにいる奴ら全員の視線がドアに集まる中静かに開かれる。
そこには黒くてツヤのあるストレートの髪をさらりと揺らしくりくりの綺麗で可愛い目をしている俺の弟涼佑が立っていた。
「兄さん?」
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