アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
(21)恵次サイド
-
俺が息を落ち着かせる間に仲町は必死に南条に説明をしていた。
俺が痩せすぎていた事が気になり身体を触ってしまったこと。
集中しすぎて俺の反応に気づかなかった事。
そう言い終えるとまるで怒られるのを待つ犬のようになっている仲町に別に怒ってないと俺は声をかけてしまった。
すると仲町安心しきったようにし俺にたくさん謝ってくる。
南条はそんな俺たちを見つめてくる。
視線が痛い。
南条は思い口を開く。
「仲町が触ったんだから俺もお前を触っても問題はないだろう」
「は??」
俺は急な南条の言葉に思わず声が出る。
いやいや分からない。
仲町が触ったから南条も触っていい????
急な謎の言葉に頭がちんぷんかんぷんになる。
「俺も前々からお前が細くなる事を気にしていたからな。
少し触るくらいだ。だめか??」
南条が俺に聞いてくる。
「別にだめじゃないが、」
俺はそう南条に行ってしまった。
すると南条は顔を上げ触ってもいいのかなどと俺に言ってくる。
もうどうにでもなれと思い俺は南条に許可をだす。
すると南条は恐る恐る俺の体を撫でてくる。
腹や太腿腕などをゆっくりと撫でてくる。
仲町とは違う大きな手でゆっくりの身体を撫でられ変な声が漏れる。
「ヒッ!、、、アッ‼︎、、ぅ、、ふぁっ」
俺の情けない声が室内に響く。
南条はそんな俺にお構いなしで身体を撫で続ける。
「なんじょっ!あっ、、なで、、ヒッ!、、すぎ、、ンッ!」
南条は撫でる手を留めず俺を見つめる。
俺は顔に熱が集まり目が潤む。
「なんじょっ!もうっ、、アッ、、らめぇ、へんに、なる、」
そう俺が必死でいうと南条はようやく手を止める。
俺は必死で呼吸を整えようと息を吸う。
体がぞわぞわする。
俺がそんな事を思っていると南条は少し顔を赤くしていた。
仲町なんか鼻血を出している。
おい大丈夫か。仲町。
俺はなんとか呼吸を落ち着かせて深呼吸をする。
だいぶマシになった。
そして仲町たちと向かい合う。
南条と仲町の顔がいまだに赤い。
南条は俺を見ながら口を開く。
「お前細すぎる。よくそんな体で今まで動いてこれたな。」
南条の失礼な言葉に俺の眉間に皺が寄る。
「俺はそこまでヤワじゃねぇ!!」
俺は声を上げる。
すると仲町も南条にかせんする。
「会長様‼︎会長様がお凄い方という事は従順承知しております‼︎しかしそれとこれは別の話です。
いくら体力がおありであろうと体がこの様では意味がありません‼︎」
仲町の言葉に息が詰まる。
さらに仲町は俺に言い寄ってくる。
「会長様の腰を抱いた時僕は少ししか力を入れませんでした。それでも会長様は僕から逃げ出す事ができませんでした。
この意味はお分かりでしょう??
会長様貴方の身体はそれほどまで弱っているのですよ」
仲町にそう言い放たれ俺はその場で固まる。
そんな事。
そんな事俺が一番わかっている。
俺の体なんだ。
俺が一番理解しているさ。
俺は顔を歪ませる。
仲町はそんな俺に優しく寄る。
「涼佑様にとって会長様は残された最後の家族です。
もし会長様に何かあった時涼佑様を守る事ができる方は誰一人としておりません。
会長様の身体はたった一人のものではないのですよ?
もう少し自身を大事にしてください。」
仲町は俺にそういうと優しく俺の背に手を置き撫でてくる。
そうだ。俺は涼佑を守らなきゃ行けない立場にいる。
余裕がなく忘れかけていた事だった。
涼佑には俺しかいない。
俺が動けなくなったら涼佑は、、、
俺の頭の中がぐるぐると回る。
不安で不安でどうしよもない気持ちに襲われる。
「そんな思い詰めるな」
南条も俺に言い寄って背中を撫でてくる。
急な南条の行動に俺は固まる。
「お前は無茶をしすぎなんだよ」
普段のあいつならありえないような事を言ってくる。
俺はあんぐりかえってしまう。
さらに南条は口を開く。
「お前以外の奴らこの様子だと全くきてないんだろ?
お前一人で生徒会を回してるなんて全く笑えねー話だ。」
南条は生徒会室を見渡しながらつぶやく。
学園の象徴である生徒会がこの様な事を思っての発言なんだろうと俺は思い下を向いてしまう。
そんな俺の様子に仲町があたふたする。
「ただでさえお前は働いているのにこんな状態の生徒会を回して挙げ句の果てには学力も上位をキープなんて全くもって無理な話だろ。こんなにお前が苦労してるのにあいつらは何だ??転校生と遊び呆けて全く業務をしていない。」
南条のこれでもないほどの低い声が生徒会室に響く。
俺は体が強ばりわけもなく震えそうになっている。
仲町なんかもう泣きそうになっている。
もう生徒会室がカオスとかしている。
「もういっそう学生全員に署名活動してもらってあいつらをリコールするか????そうすればお前もこれ以上悩む事もないだろう????」
南条はまるで人を殺しそうな顔をしながら淡々と話している。
南条!!!お前がどれだけ生徒会の事を恨んでいるのか十分分かったからもうそれ以上仲町を怖がらせないでくれ!!見ろ!!あの怯えた仲町の顔を!!!
ライオンを前にしたチワワみたいな状態になっているぞ!
どこぞのバスケアニメかよ!!
俺がそんな事を思っていると南条が俺の頬に触れてくる。
「‼︎」
あまりの急な行動に驚く。
南条はどろりとした笑顔でまるで大切な物を触っているかのように俺の頬を撫でている。
なんだろう。物凄く怖い。
こんな恐怖は生まれて初めてだ。
南条はそんな俺を見ながらまた話し出す。
「赤峰もあいつらの今までの行動にうんざりしているだろ??今まで生徒会を一緒にやってた奴がたかが転校生のせいで一瞬でお前から離れていった。そんな奴仲間とも呼べないよな????こんなに痩せて周りからは悪い噂を流され辛かっただろ????」
南条のどろりとした目が俺を動きを捕らえる。
俺を優しく撫でてくるその仕草ですら恐怖を感じる。
体が固まり声が詰まる。
南条は何もいえない俺をみて何がいいのか満足した顔をしながら笑顔で俺を見つめる。
「俺ならお前を苦しめた元凶を消す事だってできる。お前がこれ以上辛い思いをしなくて済むように手を打ってやれる。」
南条が俺の耳元で甘い囁きをする。
もう何もかも身を任せてしまいたいような衝動に襲われ俺は体を支える事で精一杯だ。
耳元に南条の吐息がかかり俺は思わず身震いする。
「俺ならお前をいろんなものから守ってやれる。生徒会の奴らに捨てられたお前を俺なら沢山愛してやれるぞ」
南条の甘くてドロドロとした言葉が俺の脳を襲う。
楽になりたいなどと言った気持ちが自身から込み上げてくる。
堕ちてはダメなのに堕ちてしまいたいと言った謎の想いが俺を追い詰めてくる。
南条の俺を撫でる手がとても気持ちいい。
ダメなのに、ダメなのに俺は南条の甘い誘いに乗ってしまいそうにいる。
南条の甘い囁きや俺より大きな手まるで大切な物でも見つめているような瞳どれも目を離せない。
「なぁ?赤峰????」
南条の甘くてどろりとした声が俺の耳に響く。
俺はもうダメだと思い目を閉じようとした。
その時。
「ストップ!!!ストップ!!!委員長これ以上は見るに耐えません!!!今すぐ会長様からお離れください!!」
今まで存在が空気と化していた仲町が暴走している南条を止めに入る。
南条あいつ今舌打ちした‼︎俺聞こえてたからな‼︎
チッ‼︎ってバリバリ聞こえてたから!!
南条は名残惜しそうに俺の頬から手を離した。
頬にあった熱が離れる。
まだ自身の顔が熱い。
そして南条、仲町を睨むな。めっちゃ怯えてんじゃん
俺はなんとか体に力を入れ立ち上がる。
二人の視線が俺にむく。
「会長様‼︎すぐにお止めにすることが出来ず申し訳ありません」
仲町が律儀に俺に謝る。
俺は別にいいからと仲町にいうがそれでも仲町は納得する様子が見られずにいる。
真面目だなと思いながら俺は南条に目線を向ける。
南条は何が嫌なのか顔を顰めている。
そして何故か俺と仲町の間に入り俺たちを引き離す。
「え?」
「????」
俺も仲町は頭の上にクエッションマークを浮かべる。
そして急に俺は南条に抱き寄せられる。
俺は急な南条の行動に驚き声を上げる。
「ちょっ‼︎何すんだよ!!」
俺はそう言い離れようとするが俺を抱いている手に力をいれられ全く抜け出せない。
「委員長‼︎いい加減にしてください‼︎僕だって怒りますよ‼︎」
仲町がこれでもかというほどの声で俺と南条を引き剥がそうとする。
今まで見たこともないくらい怒った顔をしている仲町に俺は驚く。
気弱な仲町がこんなに感情をむき出しにするなんて思わなかった為正直言って新鮮だ。
などと俺はお門違いな事を考え見たくもない現実をシャットダウンしようとするが仲町と南条の言い争いがうるさくもう諦めるしかなかった。
「とりあえず生徒会に風紀の奴を何人か送り込む。体育祭も近づいている為赤峰一人でこれからどうこうすることなんてできないだろうからな。」
南条は平然と俺を抱きしめながら淡々と喋り出す。
「それ、俺を抱きしめながらいう事なのか????
それより今すぐその手を離せよ」
俺は南条にツッコミを入れながら解放するようにいうが南条は全く俺の話しを聞かないでさらに口を開こうとする。
仲町はもはや手を出そうとするほどキレ気味になっている。
俺の中の南条と仲町のイメージが崩れていく。
泣いていいか?
そんなことをする事はや十分、いや早くはないか?この十分かなり長く感じたのは俺だけか?
なんとか南条は俺を離し仲町も落ち着いた。
「仲町、これからは俺たちで生徒会を回す事を頭に入れておけ」
南条がなんでもないように喋り出す。
「おい!!ちょっと待て!!何勝手に話し進めてんだよ!!てかお前ら風紀だって色々と忙しいだろ」
「風紀はそこまで行き詰まっておりませんのでご心配いりません!!!」
俺の言葉に即座に仲町が答える。
なんでそんなに興奮気味に答えるんだよ。
南条もうんうんと何故かうなずいている。
「とりあえず俺らが生徒会の仕事に手をつけることは決定事項だからな」
「それは僕も同意見です」
南条と仲町が俺の意思を聞かずにさらに話を進めていく。
「いや、南条お前俺のこと嫌いなんだろ?たしかに生徒会は学園にとって大切だがだからと言って南条がここまでする必要はないだろう????」
俺は自身が思った事を南条にいう。
すると急に南条の顔が強張る。
え?????俺何か悪いこと言った????
俺は不安になりあたふたし出す。
そんな俺を見た南条は呆れたようにため息をつき口を開く。
「確かに赤峰の事を俺は嫌っていた。上から目線でまともに仕事をせず遊び呆けている奴が生徒会長なんて許されるはずがないと勝手に周りの噂を信じ俺は勝手に赤峰を嫌っていた。」
南条は唇を強く噛み締め俺を見詰め言い放す。
俺は自身をボロクソディスられていることよりも南条の唇が切れてしまわないかという方で気になり全く気にならない。
「だがここ最近で少しずつお前を知るにつれて俺は自身が間違っていた事に気づいた。周りが言った事を鵜呑みにして勝手にお前を判断してた。お前は学門も生徒会も全部こなして挙げ句の果てにはバイトまでしてるじゃねーか。俺は自分自身が恥ずかしくなったよ。」
そう言い南条は眉を下げいかにもごめんなさいと言った顔を俺に向ける。
「赤峰本当に今まですまなかった。お前に突っかかったり小言言ったり本当自分が情けない。」
南条はそういうと俺に頭を下げた。
俺はあまりの驚きにすぐに南条を止める。
「南条!!別に俺はなんとも思ってない!だから頭を上げてくれ」
俺は急で声が裏返りそうになるのを必死で耐える。
仲町も南条が頭を下げるとは思ってもいなかったのか目が飛び出るのではないかというほど見開いている。
南条はそれでも頭を深く下げ続ける。
「赤峰はそういうだろうがそれだと俺が納得しない。俺はこれだとむしが良すぎる奴になる。だから赤峰俺にちゃんと謝らせてくれ。お前の隣に俺が立つことができるためにも俺のこの言葉を受け取ってくれ」
南条の真剣さが物凄く伝わってくる。
今までこのように謝罪される事もなかった為正直この状況に困ってしまう。
それに周りからの俺の評価も俺が噂を否定すれば何事にもならなかった話である為俺にも当然落ち度はある。
だから南条一人が悪いと言った話ではないのではないかと思うが南条は頑なに頭を下げ続ける。
真面目というか律儀というか。
俺は半端諦めたように口を開く。
「だから別にいいっていってんじゃねぇーか。噂の件なら否定しなかった俺にも落ち度があるし俺もお前ら風紀と全くちゃんとした交流をしてこなかった。確かに南条が俺に謝りたいのはわかるが俺はそこまで今まで南条がしてきた事を気にしてない。だからもう頭を上げてくれ。頼むから」
俺は疲れ切った声でそういうと南条はやっと頭を上げた。
あーよかった。やっと落ち着ける。
などと思っていると南条が勢いよく俺の手を掴み口を開く。
「赤峰お前が俺を気にかけてくれて正直とても嬉しい。俺はこれからちゃんとお前に向き合っていきたいと思っている。お前が生徒会の仕事で追い込まれていく姿は俺は見たくない。お前が辛いのならそんなお前を支えたいとさえ思う。赤峰俺を拒まないでくれ。仕事なら俺に押し付けてもいいから少しは俺たちを頼ってくれ」
南条の切実な思いが俺の心に響く。
南条から言われる数々の言葉に顔が赤くなる。
俺の今の顔は人に見せられるような顔じゃないだろう。
おそらく。
そんな俺を見つめ南条は少し笑いながら俺を撫でる。
「何可愛い顔してんだよ。」
南条に可愛いなどと訳の分からない言葉を言われ俺はテンパる。恥ずかしくて手を顔に持っていく。
そんな俺をまた南条は可愛いと言ってくる。
お前の目は節穴か????
「で?返事はどうなんだ?赤峰??」
南条は優しく俺に問いかけてくる。
心地のいい声に俺はうっかり寄り掛かりそうになるのをなんとか堪える。
「正直あいつらが生徒会の仕事をしなくなってから今日に至るまでかなり一人で回すのには無理があった。体育祭といったイベントも近づいている為もっと忙しくなるのは目に見えている。」
俺は弱々しく話し始める。
南条達はそんな俺の話を静かに聞く。
「多分俺一人じゃこれから生徒会を回すことはできない。
だから少しの間でも風紀から人手を借りられるんならとても助かる」
俺は顔を赤くし床を視線を落としてしまう。
「頼るとか今までしてこなかった事をするのは俺にとって難しい。でもお前らが俺を気にかけていることは今日で十分わかった。」
恥ずかしくてあいつらの顔を見ないでいたが俺はあいつらの力を借りるのだから顔を見ないのは失礼だろ。
そう思いなんとか俺は顔を上げる。
顔が熱い。きっと情け無い顔をしているだろう。
そう思いながらも俺はなんとかあいつらに伝える。
「頼ることができるように努力はする。だから少なくとも体育祭が終わるまでは俺を支えてくれ」
俺は体をプルプル震わせながらなんとか南条達に言う。
しばらく室内に沈黙が走る。
俺はやっぱりいけなかったからと思いながら南条達を見る。
すると南条達は顔を赤らめながら呆然と俺を見つめていた。
「おい?大丈夫か?」
俺は思わず南条達に声をかける。
すると南条達はすぐに体を動かす。
「急に可愛いこと言うんじゃねーよ。危うく手が出そうにになっちまったじゃねーか」
「会長様それは反則ですよ」
などと訳の分からない事を南条達は口々にいい始める。
南条は落ち着いたのか俺に微笑みながら口を開く。
「別に体育祭が終わっても俺達のことは頼っていい。お前が無理さえしなければ俺たちは別にどうとも思わないからな。」
「そうですよ。会長様。僕達に甘えてくださっても全然大丈夫ですか!」
南条と仲町の元気な声が室内に響き俺は少し微笑む。
「南条、仲町これからはよろしく頼む」
俺がそういうと南条は任せろと言い俺の頭の撫でるのであった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 29