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第1章 Stage 1
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「智樹さん、そろそろ時間です」
俺を呼ぶ声に、
「今行く」
振り返ることなく、鏡に向かったままで答えると、俺は最後の仕上げに、唇に赤い口紅を引き、脱ぎ捨てたガウンの代わりに薄い布を纏った。
「行ってくるから……」
鏡の横に立てられた写真立てに向かって声をかけるのは、いつの頃からか恒例になった俺の儀式だ。
俺は長く垂らした薄い布の端を摘むと、ホットパンツの一番上のホックを外し、ゆっくりとした足取りで薄暗い階段を降り、そこで待ち構えていた男の首に両腕を回す。
支配人の翔真だ。
「行ってこい」
「ああ、行ってくる」
翔真は俺の顎に手をかけると、口紅を引いたばかりの唇に自分のそれを軽く重ねてから、そっと俺の腕を解いた。
そして俺は翔真に背中を押され、舞台袖からステージの中央へと躍り出た。
深く息を吸い込み、一気に吐き出すと、その瞬間を待ち侘びていたかのように、クラシックの音楽が流れ始め、スポットライトが俺を照らし出した。
途端に湧き上がる野太い歓声……。
俺は素肌に巻き付けただけの薄い布を靡かせるように両手を広げた。
すると色めき立った男達が一斉に身を乗り出し、俺に熱い視線を向けた。
俺はライトで飾られた細い花道を、腰を妖艶にくねらせながらセンターステージまで歩くと、その中央に尻を着き、ホットパンツから伸びた両足を、膝を折るようにして絡めた。
布の端を唇に咥え、片手で身体を支えながら喉元を仰け反らせると、もう一方の手を反らせた喉元から胸にかけて滑らせた。
瞬間、それまで流れていた優雅なクラシック音楽から一転、激しいビートを奏でるロック調の音楽が鳴り響いた。
そしてそれに合わせるように、俺を照らすスポットライトも、ロックのリズムに合わせて色を変えては点滅を始める。
俺は絡めた足を解き、客席に向かって股を開くと、ホットパンツのジッパーをゆっくり下ろした。
音に紛れるように、どこからかゴクリと息を呑む音が聞こえた。
客が何を期待しているのかは、その欲に濡れた視線で分かる。
ホットパンツの下に隠された膨らみ……、ソイツを一目見ようとウズウズしてるんだ。
俺は焦らすようにゆらゆらと立ち上がると、客席に背を向け、ホットパンツのウエストに手をかけ、リズムに合わせて腰を左右に揺らしながら、ホットパンツを下ろして行く。
ゆっくりゆっくりと……
そして丁度尻の割れ目が見えかけた所でその手を止め、優雅にターンを一つ決めてから、今度は客席に向かった。
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