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〜継弥side〜
「俺」と「僕」
家での「俺」はダラダラしまくりで、誰かの世話になって、かっこ悪い自分。
「僕」は、カンペキで、なんでも出来て気配りで、どこか他人のような自分。
自分でも素は「俺」の方だと理解していて、それは千明も知っている。
だからこそ、あんな硬っ苦しい家から飛び出してこうやって自分の部屋に入り込んでも何にも怒らないのだ。
まぁ、邪魔者扱いはされるけど。
「ふー、上がってきた。いい湯加減だったよ」
「うるさい、ちょっと黙れ。」
「なーにしてんの?」
「考え事」
シャワーを浴びて千明の部屋に戻ると千明は何も無い机に座って考える人のポーズを取っていた。
実はコレ、ちょっとツボにハマりかける。
「……なぁ、」
「なーに、眠いんだけど」
「泊まっていくのかよ……って、そうじゃねぇ。つぐにぃって昨日、争奪戦がどうやらこうやら言った?」
なんて質問だ、と笑ってしまう。
たしか……昨日は、えぇーと……
「多分、その話はしたと……思うけど?でも「僕」の方だと思うからぼんやりとしか記憶にない」
「ん、それ分かってる。じゃあその話をした相手は覚えてるか?」
「ん……んーと、あ、あの晃さんの時の子……名前……たしか、一ノ瀬唯人くん、だったかな?」
「ん、覚えてんなら大丈夫かな。ほんっと、つぐにぃの早とちりも大概にしてよ……唯人は俺の……」
「ちょ、なんの話してんだよ。」
「ん~?唯人の話……」
「一ノ瀬くんの……?」
「そ。俺と唯人はシンユーだから。」
今日判明したこと。
それは、昨日「僕」が助けた子と従兄弟の千明が、クラスメイトな上に親友だった……ということだ。
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