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〜継弥side〜
どうしてこうもあの子もその子もこの子も、僕なんかの連絡先を知りたいと思うんだろうか。
ただの、仮面の僕なんかに。
「連絡先……し、知らなきゃ、その……」
本当に、目障りだ。
「会えなくて、その……えと、」
真っ赤になって狼狽えるその姿に、あの妖精みたいな子だとしても、イライラしてしまう。
あぁ、結局一緒だったんだ、と。
「その、こうーーー」
「あぁ、もーうるさいよ」
ドンっと、図書館の壁を叩く。
幸い今は僕ら以外に誰もいないし、他に人がいなければ怒られないだろう。
完璧主義な僕がこう思ってしまうくらい、今僕は目の前の子にイラついているんだ。
「なんなの?なんで僕に会いたいの?それでどうしたいの?自慢したいの?」
「え、あの、せんぱ」
「あ、そっか、君千明と親友なんだっけ。なんか吹っ掛けられた?」
「ち、千明の事なんで知って……って、そうじゃなくて」
「それともあっち目的で」
「違います!!!!」
一ノ瀬くんを見ると、余計に頬を紅潮させ、目いっぱいに涙の膜を張っていた。
綺麗だ、と思ってしまったのかもしれない。
本当には何を思ったのかは分からないが、僕は今、何も言えなくなっている。何も。
「あの……俺はそういう、い、営み……目的とかじゃなくて、先輩の、東雲先輩の連絡先聞かないと、晃さん達のとこ、行けないと思って……」
「はぁ?晃さん?」
「だ、だって学校では先輩人気でお話できないでしょ?だからメールだったら暇な時に先輩の都合分かるかなって……文通でも良かったんですけど、流石にお互い何も知らないのに住所教えてくれはもっと無謀だと思ったので……」
「うん、教えないと思うよ……」
「ぁ、だから……えと、連絡先教えてもらって、2人で都合合わせて、晃さん達のところ行きたいなって……晃さん達は、俺の恩人だからちゃんとお礼したいんです。」
「ごめん……」
「えっ、何がですか!?」
やばい、僕すっごい自意識過剰だった、早とちりだった……これは自分の悪い癖だ。
昔から何でもかんでも早とちりしてしまう。
確か千明にも「つぐにぃは早とちりが多いから人の話をちゃんと聞くように!」ってされてたっけな……。
片手を顔に持ってきて口を覆う。
あー、これは僕が悪い。
凄い恥ずかしいな、僕……
「連絡先、教えたげるよ」
「えっ、ほんとですか!」
「うん、その代わり……」
「その、代わり……?」
「なんかお詫びさせて」
「は?」
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