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その日から大田智樹と俺は一切口を聞くこともなくなった。
厄介事から開放された俺は、終業後も一人オフィスに残って、一度は完成させたプログラムの打ち直しを始めた。
決して楽な作業ではなかったけど、大田智樹のせいであったとしても、ミスはミスだ。責任は取らないとね。
そうして一人黙々と作業に没頭すること一週間……
「終わった……」
俺は完成させたプログラムを、誤って消去してしまわないようにUSBに保存してから、上司のPCへと送信した。
「よし、帰るか……」
全ての作業を終え、PCの電源を落としてから、一つ伸びをした。その時、俺の頬に熱い物が触れた。
「お疲れさまでした、先輩」
そこにいたのは大田智樹で、俺の頬に触れたのは、どうやら大田智樹が手に持っていた缶コーヒーのようで……
「なん……で?」
「え……、だって俺のせいでしょ? 先輩が残業してんのって……」
それは……、そうだけど……
「ごめんね? 使えない後輩で……」
なんだよ、急に潮らしくなっちゃって、気味悪ぃよ……
「あ、肩でも揉みます? こってるでしょ? 他んとこでもいいけど……」
他って、どこだよ……
「別にいいよ、どこもこってないから」
「じゃあコーヒー飲みます? 飲みかけだけど」
この人、益々理解不能だわ。
でも、一応気遣ってはくれてんだよ……な?
「ああ、じゃあ貰おう……かな」
俺は仕方なく大田智樹から飲みかけの缶コーヒーを受け取ると、それを一気に飲み干した。
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