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それぞれの考え方
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ゲームも中盤に差し掛かってきて
ふと、喉の乾きを覚え、休憩するかと飲みものを
取りに行こうと椅子から腰をあげようとした時
「あーにじゃー!」
だだだだ……っばたんっ!
騒がしく階段を登る音、
歳の割には甲高く、でもよく聞き馴染んだ声と
共に唐突に緑のあの人ー……おついちが部屋に突撃してきました。
……。
なんかすっげー、きらきらした弟にも負けなそうな
満面の笑顔で。
「きいてよー!」
なんて俺の部屋のドアの前に通せん坊を
するように嬉しげに話しかけてくる。
いや、別にいいけどさ、
あんた、この前それ家の弟がしたら
「じゃかぁじい!部屋に入んなら、大人しく入れや!」
ってすっげえ怒ってたやつじゃん。
あの後、アイツ暫く喋んなかったんだぞ?
まぁ?あの後、お詫びにって
謝りながら頂いたチーズタルトはなかなかでしたけど。
ん?弟者のじゃないのか?って……いや、まあ
俺はまぁ、兄なので少しだけ、頂きました。
そんなつい先日合った事を頭の片隅でボーッと
考えてしまっていた俺は
目の前で不思議そうに此方を見る奴に
「はっ」と我に帰り
なんにもなかった様に咳払いをすると平然を装って
半目で面倒くさそうに彼を見た。
そこには、目をぱちくりさせ不思議そうな顔で
此方を見るおついちさん。
視線が合うと途端に、にへらとしたいつものマヌケ顔に
なった。
年上の癖に…
もっとしっかりしろよな…。
へらへら笑顔の彼は、そんな俺の
心の中のツッコミも知らずに部屋の扉を閉めて
側まで寄ってきた。
黒色の綺麗に結われた髪が歩く度に跳ねている。
「聞いて、気いて!きょうね?
久しぶりに空みたらね?」
空?上?
いえすっ。てか、それ以外空はないよね?
なんて辛口なお言葉をもらいました。
「無いけどさ…で空がどしたの」
「あ、空がね!赤と青の線が、真っ直ぐで…」
「はい、ストップ。」
まてまて、さっぱりわからん。
一方の彼はなぜ止められたかわからず
きょとんとしていた。
「何で止めんのよ」
むすっと頬を膨らませる。
「何でじゃないでしょ……?
おっつん、話が支離滅裂で
何の話してるか分かんないから止めたんだよ。」
「えー……もしかして兄者さん、お耳がt
「何もないならカエr「あー!や、聞いて聞いて下さい」宜しい、で?」
ふざけ始めたおついちに、少しイラッとしてしまい
彼がここに訪れるまでにしていたゲームをしようと
喉の渇きも忘れて椅子に座り直し
コントローラーに手を伸ばした
俺に
あわてて駆け寄ってとめる奴に
ため息をつく。
で?
椅子を彼の方へ向けて
先を促すように
視線をむける。
そうすると彼は
ほっとしたように顔を綻ばせた。
彼は、でね?前置きをし話始める。
「えっと…何時頃だったかな。17.?18?時くらいに、ふと、外を見たんだ。」
「ほう」
「そしたらもう薄暗くてさー」
「んん」
「帰る支度しなくちゃーって窓から目を離そうとしたときね」
じぃとこちらを見、口許を
緩める奴にだんだん居たたまれなくなる
「こっち見なくていいからはよ言え」
横をむくと、んふふ、
と彼特有の笑い声。
「もー…でね、端の方に赤色と青色の雲が残ってて兄者と弟者君が頭のなか浮かんできたの」
「…」
「…」
「……で?」
「え、それだけだけど?」
「……」
「あれ?兄者?なに怒ってんの?!」
「なんでもない」
「…いや、眉間にすんごいシワ寄ってるから…「ああ?」すみません何でもないです」
「…はぁ、あのな?」
「ん…?」
「さっき俺も弟者から同じ事を言われたんだ。」
「弟者君がぁ?」
「おう、あの弟者がな。」
「珍し…」
「あと、…仲間はずれだって」
小さく呟く俺に
「?」訳が分からないおついちさんは
きょとんとするばかり。
「おついちさんの
色が入ってないから仲間はずれだ…って落ち込んでた…」
苦笑いして「あいつらしいだろ。」なんて
いうとおついちさんはくすっと笑った。
「……」
あと…さ、
「…俺もちょっと思った…」
仲間はずれだなって、
照れ隠しにムスッとした顔をしながら
蚊の鳴くような声で呟く俺。
そんな俺に
真ん丸な目を更に大きく
開けるおついちさん、
そして…
「ーっつ!……あにじゃくーん、大好き!」
その場から勢いよく俺の座る椅子に
飛び込んできた。慌てて腕を広げ
飛び込んできたおついちを結果的に抱き締める
「うわあっ?!なに!鼻拭けぇ汚ねぇ!」
泣いているのはわかっていたが、
肩に、何か別の濡れるものを感じ、
慌てて離そうとすると更に抱き締められた。
「うわああん!2人ともありがとうー!!…ふ、ふぇ、っく、…、嬉しいぃぃ」
ギュウウウ!と力強く抱きつき
号泣する少し年の離れたこの仲間に
「へいへい…」
軽く返事を返しながら
ま、たまにはいっか
俺はそう思いながら彼の猫っけが目立つ
髪を撫でてやるのだった。
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