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セフレ 2
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磊音(らいおん)の勤務先も聞いて 名刺も貰った。
俺は 名刺忘れた と嘘をついた。
まだ 素性を明かすには ためらいが有って。
その事に 関して 磊音は いいよ おいおい 教えてね。
と優しく言ってくれた。
年齢は俺より10才年上。
車に乗り込むときは 助手席のドアを開けてくれて どうぞ と まるで女扱いのように優しかった。
車中 磊音が
「俺 凪(なぎ)のような 人 タイプだなぁ。俺 こんな年齢だけど 人を真剣に好きになったことないんだ。
引いた?」
軽く首を横に振ると 整った顔の磊音は 優しく笑った。
「無理に 今すぐ 凪をどうこうしようとは思っていないから。きちんと今日デートして 凪が俺のこと 理解して 納得して 好きになってくれたら 良いかな。俺も凪のこと好きになりたいと思えてきたから。まぁ反対に嫌われちゃったりして。」
そう言ってらいおんは笑った。
らいおんは 整った顔のイケメンだった。
鼻筋が通っていて 眉毛のすぐ下にアーモンドのような目。彫りが深い。唇は少し薄いが下唇は少し肉感的。あごや鼻の下の髭は綺麗に剃られていて 肌も綺麗。
身長は俺より10㎝ほど高い。普段はスーツらしいが今日はざっくりしたセーターの上に革のジャケット。優雅に運転している。車はちょっとランク上の国産セダン。磊音からは心地好いウッド系のフレグランス。髪の毛は襟足が綺麗だから 散髪はこまめに行っているのだろう。手は男らしく 節くれだっていないが 所々 血管が青く 爪はきちんと切り揃えてあって 健康的であった。
さぞかし 男 いや 女にもモテそうだ。
「ねぇ 凪?今日は 箱根辺りに行こうと思っているんだが 良いかな?凪は独り暮らしって言ってたよね。食事はどうしてるの?自炊?」
「あ はい。俺 飯は自分で作ってますよ。朝はパンとかおにぎりだけど 昼は外食かな。たまーに弁当も作りますよ。夜はちゃんと。土曜日に まとめて作って 冷凍したりね。」
「へぇー。頼もしいな。」
そんな話をしながら 箱根の景色を堪能したり 美味しいレストランでイタリアンを食べて 帰路。
「凪?今日1日で理解し合うのは無理かもしれないけど。来週又会ってくれる?俺は凪と又会いたい。凪を俺のモノにしたい。」
狡い男だ。らいおん。
エスコートも完璧。
そこそこの会社に勤めていて 着る物 車 ライター キーホルダーから 収入も並みより高いことをうかがわせた。
優しい物腰 洗練された話し方 家族の話までは聞いてない。
髪の毛は基本黒いが 茶色というよりは 金髪がかっていて もしかしたら純粋な日本人ではなく 欧米の血が入っているのかもしれない。
「凪は
とても美人だけど 今まで パートナーは居なかったの?控え目な性格っぽいから 誘いを断っていたのかな?
今日一日だけしか見てないけど 凪は向けられる好意を わかっていないふしが有るよね。ツイスターでも 感じたけど。
自己評価低すぎなとこ有るよね。
たぶん グイグイこられたら 断りきれない人じゃないかな?良い意味で流されちゃう。
過去に恋人居たら 好きと思い込まされて 恋人にさせられて ひどい扱いされても 甘んじちゃう。そして 尽くしていても 尽くしてることに 気がついてない みたいな。」
はっとした。
俺が言葉を惜しむ人間らしいから すれ違いにも気がつかなくて。
前の伴侶と思っていた人間と別れてしまった。その時 伴侶から言われたこと
『こんなに好きなのに お前は誰でも良かったんだろう?優しくされたら 誰でも。ひどくしてもお前は 笑っていて。お前は好きとは言わなくて 帰るときも引き留めない。好きと言っても 返してくれない。セックスだってお前から求めない。お前からキスさえしたことがない。セックスの間 お前は相手の顔さえ見ない。愛されてると思ったのは俺の勘違い?間違いだとしか思えない。』
最後に言われた言葉を思い出す。
俺は 愛されることに甘えて 自分から愛したことは ないかもしれない。言葉を惜しんだのかもしれない。
でも新たに見つけるにも 別れが怖くて 自分から パートナーを探そうとはしなかったし。
出会いを求めることもしなかったし 拒絶されることが怖くて 恋愛をしようとは思ったりしなかった。
らいおんに なんとなく曖昧に頷く。
そして らいおんが言った。
「君とは性格が違うけどね。僕も自慢じゃないけどモテる。恋愛なんて馬鹿にしていてね。でも凪とダイレクトメールをしているうちに なんとなく凪ってどんな人かなって。そして君はとても 軽そうでいながら 臆病にも見えたんだ。なんか儚いようにも思えてね。なんか今すぐにでも 抱き締めて 安心させてあげたい。もっと 自信を持って欲しい。人任せじゃなく 自分の考えを沢山言って欲しい。見ているから 踏み出しておいでって気持ち。そのくせ なんか奥の奥に秘めたる柱みたいな通ったものも 有る気がして。ごめんね。悪く聞こえたら。不思議だけど 会っていないのに 君を好きだなぁって思ったんだ。」
なるほど。
年齢を重ねている分 人間観察はするどいなぁ。
「ありがとうございます。かいかぶり です。俺そんな良い男じゃないです。」
「そうかな。とにかく来週又会ってくれる?いや会いたい。これから 会うたびに口説くよ。凪 君を抱きたくなった。でも 今日は我慢する。無理強いしたくないから。握手くらいはしてくれるかい?」
俺は自分が住むところの近くまで送って貰って 車を降りようとしたら 握手を求められた。
川沿いのひとけ のない 土手の近く。
手を差し出すと 包むように握手をして 俺の手の甲にくちびるを押し付けた。
なっなっ と心の中で叫びそうになった。
本当にこの男 らいおんは ずるい。
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