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セフレ 3
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それから 連絡は磊音(らいおん)が教えてくれたLINEで連絡をとるようにした。
毎週本当にデートを重ねた。
俺もらいおんも都内に住んでいたから 行き先は 近隣の郊外。
水族館 映画 美術館と博物館 乗馬にも挑戦した。
そして 別れ際は 握手から ハグ 頬へのキス おでこにキス。
そして 本当のくちづけ。
その日は 雨が激しく降っていた。いや豪雨だった。びしょ濡れになりながら 待ち合わせの河原に 行くと 濡れるのも構わず傘をさして助手席のドアを開けてくれる らいおん。
激しい雨と風が吹いて ワイパーも ほとんど役に立っていない。
らいおんが言った。
「これじゃあ 高速も危ないな。ねぇ凪。
前に見たいって言って見逃した映画。ブルーレイ買ったんだ。君にプレゼントしようと思ってね。良かったらうちに来ないか?
本当は 和食の隠れ家的 お店予約したんだけど これじゃあ 行けない。幸い うちにも食材はあるから。腕をふるわせて。俺の料理 食べてみてくれないかな。
いや?」
本当に らいおんはずるい。
いや?と聞かれたら 断る理由は 無いに等しいだろうが。
迷っている風に思われるのも悪いし
「凪? 無理にことは運ばない。凪が嫌がることはしないから。おいで」
「わかりました。うかがいます。」
「わかった ありがとう。」
そして 豪雨の中向かった先は ちょっとおしゃれなマンション。
らいおんは 或る 有名なIT企業の役員だったから こんな豪華なマンションに住めるんだろうな。
地下駐車場は ゆったりしていて 止まっている車も 外車が半分。でも 広い。
きっとこのマンションの住人は 送迎の車が来たりする お金持ちなんだろうな。
と心の中で 思って眺めた。
エレベーターで1階に止まり フロントの前を通ってポストの確認。コンシェルジュがフロントに常駐するマンションなんて初めてだった。
再びエレベーターに乗って行った先は 最上階。廊下が伸びて 両側にはドアが見当たらない。
この階には らいおんだけが住んでいるようだった。
どんだけ金持ってるんだよ!
らいおんの家のドアをカードキーで開けると 玄関だけで どんだけのスペースなんだよって話。
「スリッパそこのを履いて。遠慮しないで上がって。
そこに洗面所あるから 手を洗っておいで。タオル好きなの使って。この先リビングだから 手洗いおわったら おいでよね。」
洗面と手洗いを済ませて 行く廊下は足音すら吸い込むような ふかふかのじゅうたん。その先には 一面ガラス張りのリビングと革の重厚なソファーがおいてあった。
座り心地の良いソファーに遠慮がちに座ると しばらくして着替えた らいおんがコーヒーを持ってきた。
「砂糖とミルクは
要らないんだったよね。」
とマグカップのコーヒーを前に置いてくれた。思わず
「スゲーマンションですね。らいおんさんは金持ちだって わかってはいましたけど びっくりしちゃった。」
「そうかな。最初はね このマンションは俺の稼いだお金じゃなかったんだよ。俺の父親は あの〇〇製薬の会長でね。俺は父親の血だけひいてる。俺の母親は愛人だったんだ。製薬会社を継げと言われたんだけど。本妻の方は 女性ばかりでね。でも 継ぐのは 嫌で嫌で。
本妻の長女が製薬会社の人間と結婚したから 後継者問題は解決。親父は俺に気兼ねしたんだろうね。このマンションを買ってくれて。そのあと 俺が会社を興すとき 資金も提供してくれた。
更に車も別荘も 横浜にも同じようなマンションも貰った。
だけど ボンボンが! とか言われるのが嫌で 自分の会社を大きくすることだけ考えてがむしゃらに働いたよ。
今はやっと 軌道に乗って親父の製薬会社とも 対等に取引出来るまでになったんだ。このマンションも親父から買い取った。そしてふと 周りを見回したら 俺は 愛する人が 居ないなって気がついた。
遊びは した。
だけど。
女は
みんな打算的で 皆信用出来なくて。あざとくて 僕の資産価値とか 製薬会社の名前とか
そんなものばかり狙って。
そんなとき
ふと進められて ツイスターを始めたんだ。そこは ただの磊音って男になれた。
色々絡む内に 様々な 人間を知った。
俺の男の部分だけを切り取って欲望を満たそうとする女達。
男たちも 皆 裏を返せば より良い より若い より簡単な女を求めているだけでね。
誤解ないように正直に言うけど 男は 風俗を利用した。一年前にね。
だから ちゃんとしたお付き合いを男性でしたのは 凪が初めて。
その前は女だけと付き合って
セックスの対象も女だった。もっとも 付き合いも長く続かなかった。
違和感はあったんだ。
そして男を買ってみた。間違いなく 俺はゲイなんだって自覚した。
ツイスターで名前を変えてゲイ方面に相互を増やしたりもした。
けど あまり ピンと来なくて。
ちょっと放置気味だった磊音を復活して 適当にバカバカしい話をしてるのも楽しいかなって。
そんなとき 凪。君が現れた。
凪は よくその辺に居る 裏垢の男性とはちょっと違ってた。女性に優しいのに どこか ギラギラしたところが無くて。かといって女性をおろそかにはしない。男性にも女性にも きちんと対応していて そのくせ 迎合しない。かといって そっけないこともない。
艶めいた話を振られて 誘われて そのくせ どこか 抜けていて。凄く 好ましくて 可愛いくて。
でも深く踏み込ませない。孤立しようとしていて。そのくせ どこか 人懐っこくて。」
「もう らいおんさんは 褒めすぎですよ。俺いい加減な人間ですから。」
らいおんは 話ながら カウンターの向こうで 料理を始めた。
話していても 手は休めないで 鮮やかな 包丁さばきを していた。
手持ちぶさたになって 手伝おうかと 言ったが もうすぐだよ と 言われテレビをつけてぼんやり見て。そういえば 風も雨の音もほとんどしていない。窓を見ると二重サッシのようで たぶん防音も優れているのだろう。
ソファーで寛いで 空調も心地よくて ついうとうと してしまったらしい。
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