アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
なりゆき
-
「なに、お前ってホモなの?」
きっと本気で心配しているのであろう。
里見の目は不安と不満で満ち溢れていた。
そんな奴の頭を、さっきの仕返しよろしくスパーン!と思いきり叩いてやる。
「馬鹿かお前は。俺は、見る専門。腐男子はホモじゃねぇんだよ」
「そ、そうかよ..、ならいいけどよ」
「それより、何か用があって来たんだろ」
「あ、おう。佐々部が探してたぞ。課題出してないのお前だけだって」
「....俺は今日早退したってことで」
「は!?」
「逃げるわ。じゃあな」
慌てふためく里見を置いて、俺はそそくさとその場を去った。
「どっか静かに読めるとこねぇかな」
俺が腐男子とやらになったのは、数年前のこと。
もともと俺は、アニメやらゲームやらばっかやってるオタクの部類の人間だった。
地味顏ではあったが彼女は普通にいたし、二次元の女に萌えるタイプではなかった。
そんな俺が何故BLに手を出したかと言うと、理由はありきたり。
姉が腐女子だったからだ。
姉は尊敬するくらいオープンな性格で、色んなものに手をだしていて、家族にも姉の趣味はモロばれだった。
そんなある日、勧められたのだ..
「そんなゲームより、こっちのが面白いに決まってんでしょ」
自信満々にBL本を。
まぁ、確かに面白かった。
面白いというより、滑稽に近かったかもしれない。
とはいえそれから俺も色々なものに手をだし続け、今では立派な腐男子に染まったのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 36