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「君、隣の子? 俺の名前、木下夾(きのしたきょう)って言うんだけど。今日一日よろしく」
「あ。いえ、こちらこそ……。東昌平(ひがししょうへい)って言います」
姉貴によって強制参加させられた地元のイベントに、俺は手伝い役として参加していた。
肝心の姉貴は手洗いに行っていておらず、その代わりに俺が準備しているというワケだ。
このイベントは何でも、フリーマーケットみたいなものらしい。
売り物とか細かな内容は、姉貴に上手くはぐらかされた気もするけど。
「帰りたい」
本音が漏れながらも、さっき自己紹介をしてきた木下さんを横目でチラリと盗み見る。
本名だと思って俺も本名で返したけど、本当はこういう場では偽名を名乗るべきだったかもしれない。
それにしても、滅多にお目にかかれそうにないぐらい美形だ。
雑誌にモデルとして載りそうなぐらい身長も高いし、声も腰に響きそうなほどカッコイイ。
耳についた黒いピアスは勿論、金髪がこんなにも似合う人を初めて見た。
「イケメンもフリマに参加したりするんだ」
こんな美形が何を売るのか興味がわいて、品物を出した木下さんの手元を盗み見る。
大量の紙の束に見える物が、ドンッと机の上に置かれた瞬間、金縛りにあったかのように全身が動かなくなった。
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