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「イラストもすっげー綺麗じゃね? 物語もすっげー繊細で面白いし。最後とかマジ泣いたっつの。つか、あんな恋愛俺もしてみてー」
突然の早口トークに、俺の頭の中でクエスチョンが飛び交う。
全くと言っていい程話についていけないし、それ以前に男同士の作品に触れようとも思わない俺に分かる筈がない。
「お前も泣いただろ。つか、どのCPが一番好きだった」
「は?」
俺が女子だったら卒倒しそうな程、キラキラとした笑みで問われて冷や汗が背中を伝った。
嫌な予感しかしない。もしかしなくても、木下さんに男同士の恋愛が好きな仲間だと思われてる?
「あ、あの俺」
「つか一番ハマッてるの何? 何かBLでオススメあったら教えてよ。俺のも教えるからさ」
「B? え?」
聞いた事もない単語に、頭の中が混乱するばかりだ。
俺の動揺っぶりに流石に違和感を感じたのか、木下さんが訝しげに片眉を上げた。
「なあ、さっきから何で答えねーの? 別に俺、お前と同じでBLで活動してるから、恥ずかしがらなくてもいいんだぜ?」
「い、いやそういうワケじゃ」
やっぱり同士だと思われているのか。
どもってばかりいる俺に、木下さんが少しずつ不機嫌になってきたのが分かる。
美形が怒ると、こんなにも迫力が出るなんて知りたくなかった。
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