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終わるまで時間を潰しているわけにも行かず、渋々と昼ご飯を手に姉貴の元へと戻る。
男同士の絵が描かれた商品を指差して、木下さんと盛り上がっている姿を見て帰りたくなった。
俺がいない間に何があったのか分からないけど、異様に仲良くなっている気がするんだけど。
「……姉貴」
「あ、昌平。おかえり」
「ただいま。それよりコレ、お昼買ってきたけど」
「あーうん。あたしは食ってる暇ないから。昌平、木下さんと食べてて」
「……は?」
驚いて唐揚げが詰め込まれたフードパックを落としそうになったけど、慌てて両手で支えた。
「それじゃあちょっと、買い漁ってくるから! 店番よろしくっ」
「ちょ、ちょっとま」
「昌平。金は払うから、さっさと食おうぜ」
「な」
何で、こんな事に。
さっきなるべく関わらないようにしようって決意したばかりだというのに。
それに、俺は木下さんって呼んでるのに、いつの間にか呼び方も昌平に変わっている。
堂々と詰められた距離感に少し引きながら視線を泳がせれば、離れた場所から姉貴がニヤニヤしてコッチを見ていた。
急激に嫌な予感が膨らんでいく。
聞いてしまえば少しはスッキリするんだろうけど、怖くて聞く事すら出来ない。
上機嫌の木下さんを前にして、買ってきた唐揚げに内心のモヤモヤをぶつけるように爪楊枝を刺した。
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