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「そういや、昌平のお姉さんに聞いたんだけど。おまえ、今日のイベントは付き添いなんだってな?」
「あ、うん」
「悪かったな。こういうの見た事ないんだろ? そりゃあ混乱するよな」
男同士がいちゃつく表紙を指差されて、口端がヒクリと引き攣った。
そんな俺の表情に何を思ったのか、木下さんが困ったように微笑む。
流石に好きって言ってる人の前で、この態度はあからさますぎて失礼だったかもしれない。
「お前、ゲイじゃないんだろ」
「うん」
「そっか。俺も男同士のを読んだりはするけど、ゲイってわけじゃねーんだ」
「え?」
てっきり男が好きだから、男同士の作品を嗜んでいるのかと思っていた。
予想外の言葉に、思わずまじまじと木下さんを見つめれば、薄っすらと頬が赤くなった気がした。
「勿論恋愛は女としかしたことねーし。恋愛対象は女だけだったんだけど」
俺を映した木下さんの瞳が熱っぽく濡れて、ドキリと鼓動が跳ねた。
「お前は別みたい」
「え」
告白めいた台詞に、一瞬で顔が真っ赤に染まる。
男には勿論、こんな美形に特別だと言って貰えるようなことをした覚えがない。
そもそも、数時間前に出会ったばかりだというのに。
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