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「昌平。さっき好みは木下さんみたいな人って言ってくれたよな」
そんなこと言ったっけ。
正直出会ったばかりの頃はパニックに陥っていたから、自分が何を発したのか覚えていない。
「あれ、すっげー嬉しかった。それで良ければなんだけど、俺と付き合ってくれないか」
「え」
何がどうなったらそうなるんだ。
思わず問い詰めたくなったけど、木下さんの瞳があまりにも真摯すぎて唾液を飲み込む。
「と、友達からなら」
バカなことを言ってしまっていた。
あんなに、なるべく関わらないようにしようって言い聞かせていたのに。
関わらないようにするどころか、友達になってどうするんだ。
「そっか! じゃあ、改めてよろしく」
俺の後悔を全て吹き飛ばすような、花の咲くような笑みで微笑まれて、不覚にも心臓がドクリと跳ねた。
最初は嫌だったけど、こんなにも嬉しそうにされるのなら友達になるぐらいは良いかもしれない。
自分の感情が、最初とは違う方向に揺れ動き始めた事に戸惑いつつも、木下さんに何度も頷き返した。
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