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「も、もしもし」
「おー、昌平。正門に今いるんだけど、出てこれるか?」
「……うん。今からそっちに行く」
「了解。じゃあ待ってる。ついでに黒い車だから」
「え」
朝と同じで突然切られた電話に、少し眉根を寄せる。
俺の話も最後まで聞いてほしいんだけど。
それにしても、黒い車って言ってたけど、木下さんって車を持ってるんだ。
そりゃあ大学生だもんなあ。持ってる人は持ってるか。
俺の肩に腕を回したままの冬真ごと引きずって、憂鬱な気持ちのまま正門に向かった。
「にしても、全然嬉しくなさそうだなー?」
「……」
「まじで恋人じゃねーの?」
「だから違うって言ってんじゃん」
「ふーん」
つまんねーのという呟きが、冬真から聞こえた気がした。
本当、よくこいつと親友になれたもんだ。
「なんか騒がしくね」
冬真の声に釣られるように正門に目を向ければ、明らかに目立っている人がいて、頭を抱えたくなった。
見覚えのある金髪が、目をハートにさせた男達に群がられている。
憧れか恋かは知らないけど、これが恋だったら、俺の学校にゲイはいないと思っていたけど、皆隠してただけだったんだな。
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