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「あの」
この部屋にいたら、いつか頭がおかしくなってしまいそうだ。
逃げ出したいという気持ちを表情に出さないようにしながら、震える唇を開いた。
「そろそろ帰り」
「あ! コレとかまじオススメなんだけど!」
「へ」
ワザとか? と、聞きたくなるタイミングの悪さに間抜けな声が漏れた。
「ほら、これ!」
「な。何これ?」
「美形×平凡」
「へ?」
「まるで俺たちみたいじゃね?」
それはつまり、俺が平凡だって言いたいのか。
確かに俺は木下さんみたいに美形じゃないし、他に秀でた才能もないから、傍からみたら平凡男なんだろうけど。
それにしても、もっと違う言い方をしてくれてもいいじゃないか。
不満を露わに唇を尖らせて顔を背ければ、木下さんが不思議そうに首を傾げた。
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