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「だから、お前のことは何が何でも手放さない」
「何言っ」
「そのかわり、すっげー大切にするから」
鏡を見なくても分かる。
きっと今の俺の顔は、誰から見ても凄く赤くなってると思う。
大切にするだとか、あんな熱い指先で俺に触れるとか、反則すぎるだろ。
「何か言うことは?」
「……何もないです」
「ん」
綺麗な笑みを浮かべた木下さんに優しく頭を撫でられて、心臓が余計に騒がしくなる。
さっきまで男同士なんか冗談にも程があると思っていたくせに。
上目に木下さんを見れば、優しく笑いかけられて慌てて目を逸らした。
相手が木下さんなら、なんて思い始めた俺は相当ヤバイと思うし、木下さんに落とされるのも時間の問題かもしれない。
「……うん。そう遠くない未来にも」
「ん?」
「なんでもない」
目を伏せて、未来に想いを馳せる。
既に落ちかけている気がするんだ。……不覚にもだけど。
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