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「いや、別に用事はないんだけどさ。一緒に帰ろうぜ」
「……え?」
「ほら、車乗れよ」
「あの、今日は冬真と帰る約束してるんで」
「……冬真?」
今の今まで、俺の隣で震えている冬真の存在に気づいていなかったのか。
木下さんの表情が険しくなったのと同時に、冬真の表情はより真っ青になって俺から離れた。
「昌平! 俺はいいからさ。うん、気にすんな!」
「え? いや、だって今日はCDを買いにいこうって」
「そんなのいつだっていいだろ! 俺は別に欲しいのないし。ほら、帰れよ!」
「え、は?」
CDを買いに行く予定は無しになったのか?
すっげー楽しみにしていたのに。
「じゃ、じゃあな! また明日っ」
「は!? ちょっと待てよ、おい!」
逃げるように走り去っていく冬真を追いかけようとしたけど、直ぐに右手首を掴まれて引き戻された。
俺はCDを、今日買いに行きたいんだ。
邪魔した相手を睨み付ければ木下さんがいて、慌てて表情を取り繕った。
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