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「はぁ」
「いい加減機嫌なおせよ。悪かったって」
「もう俺、あのCDショップにいけない」
「絶対皆忘れてるって」
木下さんが、いくら俺の機嫌をとろうと頑張ったところで、正直立ち直れない。
俺の家から一番近い店が、あそこだったんだ。
本当に便利で、いつも利用していたし、店員さんにも確実に存在を知られていたというのに。
あんな目立つ事をした木下さんに、恨めしげな視線を送る。
「本当に悪かったと思ってるし、もうしないから」
謝り倒す木下さんに、ため息が漏れた。
これ以上責めても、きっとどうにもならないだろうし、俺もそろそろ気持ちを切り替えなきゃな。
それにしても、CDショップであの状態だったら本屋さんも凄そうだ。
今思い返せば、イベントの時も異常にテンションが高かったし。
もう大学生なのに、恥ずかしくないのかな。
「あの、ひとつ聞いていいですか」
「ん? 何だよ」
「本当に年上なんですよね」
「はあ? お前より年下だったら、車なんか乗れねーっつの」
「それはそうだけど」
「年上に見えねーって?」
俺の内心を見透かされて、慌てて視線を逸らした。
俺が想像していた大学生は、落ちついていて、もっと大人っていうイメージだったんだ。
それがいきなり、一般人がいっぱいいる場所でBLやら受けやら騒いだりするから、つい。
確かに見た目だけは立派な年上なんだけど、性格で年上って信じられなくなる。
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