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「悪いな。嫌な気持ちにさせたくて連れてきたワケじゃねーんだけど」
いつも、こうなんだよ。
そう言って、呆れたような溜息を吐いた木下さんに、同情心が湧いた。
今更だけど、木下さんはテレビの向こう側にいそうなぐらい美形なんだ。
俺もイベントで木下さんを初めて見た時は挙動不審になってしまったし、皆が騒ぐのも無理ない気がする。
木下さんが望んでこうなったわけじゃないし、こればかりはどうしようもないよな。
「別にいいですよ。木下さんが人気なの、俺もよく分かるし」
俺は外見だけじゃなく、中身についても言ってるけど。
何だかんだ言って優しいし、木下さんに振り回されるのも結構楽しくて好きだ。
そう言えば、木下さんが照れ臭そうにしながらも、嬉しそうに破顔した。
「昌平にそう言われるのが一番嬉しいんだけどな」
「へ?」
「いや、何でも」
また頭に優しく掌を置かれ、まるで犬にするかのようにくしゃくしゃと撫でられる。
何するんですかと突っ込む隙も与えないような携帯のシャッター音が一斉に鳴り響いて、口端が引きつった。
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