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「さっさと、金だせや」
「へ?」
今、なんて言った?
木下さんが、あいつは平凡好きのゲイだから近づくな的なことを言っていたから、てっきり食われるのかと思ったのに。
「何その目」
「あの、つかぬことをお聞きしますが……。垣内さんは、平凡好きのゲイさんでは?」
「はあ!?」
更に鬼のような形相に変わった垣内さんに、恐怖で失神するかと思った。
さっきまでの人懐っこそうな笑顔が、まるで嘘だったみたいだ。
「……ああ。あいつが何か言ったんだね。納得、納得」
「へ?」
「俺さ、平凡顔のヤツから金を巻き上げるのが好きなんだよねー? そんで、あいつの目の前でもよく平凡くんにカツアゲしてたんだけど。BL好きのアイツにはいちゃついてるように見えたんじゃない」
もっと早く、その事実を知りたかった。
そうしたら、自分をカツアゲする人について行ったりなんかしなかったのに。
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