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「……なに。早く彼氏んとこ戻れよ」
渋々振り返った木下さんの目が、全然笑ってない。
初めて優しい視線以外のものを向けられて、恐怖で足が竦みそうだ。
でも、ここで引き返すわけにはいかない。
引き返したら、きっと木下さんとの関係もこれで終わってしまう気がする。
そんなのは嫌だ。
俺は木下さんのことが好きなんだから。
「俺、木下さんのことを好きになったみたいなんですけど!」
「……は?」
冷たい眼差しが、一瞬にして戸惑いの眼差しに変わる。
そんな目を向けられても、俺だって戸惑ってるから何も言えない。
そもそも、男相手に告白した後ってどうしたらいいんだろう。
俺は木下さんみたいにBLには詳しくないけど、男でも女でも変わらない気はする。
俺が今、木下さんとどうなりたいのかを伝えるべきだよな。
「だから、ですね」
自分の顔に熱が集うのを感じながら、必死に木下さんの瞳を見つめた。
「俺と、付き合ってください!!」
空気を震わせた俺の声に触発されたのか、木下さんの体が動いた。
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