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メイド
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──────…
天使の扉の前に立った俺だが、何を言って入れば良い…『やぁ!今日もいい天気だね!!(曇ってるけど)』とでも言えば良いだろうか。何も面白い話など無いのに、話しても無言になるだけだ。
『───うわぁぁぁあん!いたいよぉ』
!?!?!?
扉の向こうから天使の悲痛の叫びが聞こえる。
コンコンなどとノックをする常識など忘れ、扉を開けた。
目の前には鞭を持ったメイドと痛みで倒れ込む天使の姿。
なんて事をしてくれとんじゃぁぁああ!!
初日から虐めが行われるなど思ってもみなかった。
「……何をしている」
「ノア様に躾をしております。」
「…お前如きが?ただのメイドの分際で思い上がるな!」
「ひっ……」
俺の叫び声で天使がさらに脅える。こんなはずでは無かった。仲良くなろうと思っただけなのに。助けようとしただけなのに。
「……出ていけ」
「はっはいぃぃ!!!」
メイドが出ていくと天使と2人きりになる。こんなに傷ついて、せっかくの綺麗な肌が…
「医者を呼んでくる。お前はここから出るな。」
なんて無愛想なこと言ってるんだ自分!大丈夫?くらい言いなさいよ自分!
どうやら長年染み付いた無愛想という性格は直らないらしい。
医者が来るとノアに適切な処置をする。ノアに暴力を振るったメイドは父親に報告することにしよう。
「朝と夜、傷が消えるまで塗り薬を使ってください」
医者から塗り薬を渡される俺。何?俺が塗るの??絶対、ノアは嫌だよね!?
3歳には、背中に薬は塗れないだろうし、誰かに頼むにしても、またあのメイドみたいなヤツが来たら厄介だ。
俺がやるしかない。
大体、父親がなんの説明もなく子供をいきなり連れてきて『今日から義弟だ』と言うのがおかしい。父親の不貞を疑うわけだし、それを面白く思わない人間も出てくるだろう。
「・・・」
「あの、たしゅけてくれて、ありがとうございましゅ」
「別に(大したことはしていない。むしろ助けられなかった。)」
何が 別に だよ!
何様だよ!
というかお礼を言えて俺の天使は偉いなぁ…
やべ…一瞬ニヤッとしてしまった。
きっと、天使にはあの悪事を企む顔に見えただろう。
俺と一緒にいても気まずいだろうし、退散するか…
「…夕飯後に来る」
「……あぃ」
なんとか約束はできた。少しでもノアと打ち解けたらいいのだが…
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