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海9
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──────…
小さい手がぎゅぎゅっとパン粉を付けていく。
「ぱふぱふ」
ぱふぱふ作業のノアの姿をセバスチャンに撮ってもらい、俺は隣で指示を出す。
エビは卵からパン粉へと流れ、山盛りに積み上げられる。作業はノアと使用人達に任せて、ソース作りをはじめる。
「料理長はとにかく混ぜてくれ」
「はっはい」
トロトロになったソース、ゆっくりとなっていく動きに料理長の腕が限界を迎えた。
「はぁはぁ…もう、無理です…」
「体力のある者はいるか?」
「俺ができます!」
手を挙げたのはノアの護衛の1人である。俺が料理をすると噂を聞いてやってきた野次馬達に混ざっていた。
確かに筋肉だからな。混ぜるだけなら簡単にできるだろう。
「ふんっぬぅぅぅう!!!」
2頭がいいねチョモランマ!
タルタルソースは筋肉のおかげで完成した。素早い筋肉だった…
ソースの味は少し酸っぱい方が揚げ物に合う。
「ジュード様、こちらは揚げればよろしいでしょうか?」
「あぁ、きつね色、、、薄い茶色になるまで揚げてくれ」
ジュージューと揚げられた魚、エビ、イカ、を盛り付ける。ノア用はお子様ランチみたくして、食べやすい大きさにカットした。
「完成だ」
「おいちちょう!」
今回、味見は無しだ。なぜなら、つまみ食いをすると、お腹いっぱいになってしまうからな。
ダイニングへと運ぶと、母親が気を利かせて使用人達も温かいうちに昼食を食べるよう伝える。
「まぁ!ジュードとノアちゃんが頑張って作った料理ね!楽しみだわ!!」
一口運ぶと懐かしの味が蘇り、米が無性に食べたくなった。今は、パンがコメの代わりだ。
「おいちい!!!」
「サクサク!!こんなの初めて食べたわ!!」
「美味いな…」
ノアのプクプクな頬を眺めながら、エビフライをナイフとフォークで切る。
幸せそうに食べているノアを見ていると、こちらまで幸せな気分になる。
「にいたん、えびふらい、おいちいでしゅね!」
「そうだな」
エビフライを選んで正解だった。我ながら良いチョイスしたと思う。
「このソースがさっぱりしててとても良いわ」
「酢が入ってますからね」
「生の卵を使ったのは衝撃的だったけど」
「そうですね。生の卵は新鮮ならいいですが、時間が経っていると危ないので魔法で菌を殺してから使ってます」
「あら、またオリジナルの魔法ね?」
「…はい」
「ふふ…バレなければいいわよ」
魔法を使っても見て見ぬふりをする母親は、ここ数ヶ月でとても寛大になっていた。
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